☆ナチスドイツの残虐非道な暴虐ぶりを徹底的に描いた、情け無用の問題作。舞台は第2次世界大戦時のソ連=(ロシア)。パルチザンに身を投じることになったひとりの少年(アリョーシヤ・クラフチェンコ)の行動経過を主軸に、村に侵攻してきた、ドイツ軍の人道無視の村民虐殺などを描いた、リアリスティックで、 酷烈な一篇。いやもう理解不能なぐらいに残忍きわまりない、ナチスドイツのあざとい暴虐ぶりで、展開が進行するにつれてますますひどくなる。全体的に物語は重苦しく、ドラマ部分も陰湿。人間が人間として扱われない事の悲惨さ、戦争という、人間の理性の破綻とおぞましい狂気が生み出した、愚かで、許されない過ちと所業を何度も懲りずに繰り返す人間の恥ずべき功罪、コンパクトで、生々しい戦闘場面、眼を背けたくなる、無慈悲な殺戮シーン、呵責、矛盾、トラウマ、そして、戦争のために、殺人機械と化し、心を失った、人間そのものの存在価値、常軌を逸した異常な境目を情け容赦なく見せつける、凄惨かつ血生臭い描写には、やりきれない気分になるほど深い印象を残す。ハリウッド映画や日本映画のように、安易なイデオロギーやお涙頂戴、反戦メッセージを押し付けがましく強調した、薄っぺらで、甘ったるい図式に陥らない、エレム・クリモフ監督のハードなリアリズム演出が作風に凄まじい戦慄と恐ろしさを植えつけることに成功している。出演者全員が自然体の素朴な力演。2時間を軽く超える、苦痛に近い長尺なので、見終わるにはよほどの根性?と相当な忍耐力が必要になる。表現が曖昧で申し訳ないが、映画の出来栄えを論じるよりも、簡単に形容し難い、つまり、現実から逃げていない、冷酷非情にして、痛々しい正統派の戦争映画である☆。