タイトルが全てを現してますが、ルーマニアのジプシーブラスバンドを発見して、全世界ツアーの企画から実現までを追ったドキュメント。
辺境音楽の発見とプロデュースという意味では、「ブエナ・ビスタ・ソシアルクラブ」を思い起こさせるし、ゆったりした曲でのちょっと聴きのフレーズやリズムには共通する点もあるけれど、対極といえば対極。
「ブエナ・・・」の連中は、元々プロのミュージシャンだし、ファッションも含めて粋というところにこだわった、言ってしまえばスタイリッシュな人達。
一方こちらは、無骨で野暮ったい。
速い曲はグルーブというにはあまりにもつんのめったリズムだし、無闇に早いフレーズで畳み掛けていくのでせわしないったらありゃしないし、ゆっくりりとくつろぎながらグラス片手にカウチで聴く感じじゃあない。
しかしながら一方では、超絶技巧とは言ってもギスギスした感じは無いし、無骨でチョッと間抜けなフレーズは親しみさえも感じさせてくれる。
もっとももすばらしいのは、音楽に対する姿勢。
センスとかスタイルにはこだわらず、音楽への原初的な欲求を思い出させてくれる。(バンドで一体となって上りつめていく、その快感のために常に鍛錬する姿勢とかね。一音鳴ったらもうのめりこんじゃう感じとか、子供が傍で聞いていてもうやりたくてしょうがなくなってるんだよね。)
ツアーではベルリンやイタリア、そして日本にも!
渋谷でギャルとの並びのショットはなんとも言えない感じだけれど、ここまで彼らの音楽が長い道のりで伝わってきたことは素直に喜びたい。
特典映像も充実していて、とくにベルリンでのライブは彼らのステージをかなりリアルな形で体感できる。
マイノリティとしての苦労についてはあまり触れられていないし、この手のバンドは彼らだけではないが、先ずは知ってもらうという意味では無理に話を広げなくて正解だったかもしれない。
「ジプシー・キャラバン」もセットと思った方が良いかな?