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炎のなかの絵 (異色作家短篇集)
 
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炎のなかの絵 (異色作家短篇集) [単行本]

ジョン コリア , John Collier , 村上 啓夫
5つ星のうち 4.0  レビューをすべて見る (4件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容(「MARC」データベースより)

そこのあなた、とびきりの悪夢を見てみませんか? ビルから転落し、ひと晩ごとに地面に近づいていく、夜ごとの悪夢を青年が語る「夢判断」など、残忍で皮肉、コミカルで悪魔的な全20編を収めた短篇集。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)

コリア,ジョン
1901‐1980。ロンドン生まれ。独学で文学を学び、20歳で詩集を自費出版する。その後、雑誌編集に携わり、1930年には処女小説『モンキーワイフ』を発表。第二次大戦後はアメリカへ移住した。1951年の短篇集『夜と幻想』でアメリカ探偵作家クラブ賞を受賞

村上 啓夫
1899‐1969。東京外国語大学英米語科卒業。ダシール・ハメット、アガサ・クリスティー、ヘンリイ・スレッサーらの作品を翻訳(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

登録情報

  • 単行本: 285ページ
  • 出版社: 早川書房 (2006/03)
  • ISBN-10: 4152087099
  • ISBN-13: 978-4152087096
  • 発売日: 2006/03
  • 商品の寸法: 17.8 x 11.6 x 2.2 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.0  レビューをすべて見る (4件のカスタマーレビュー)
  • Amazon ベストセラー商品ランキング: 本 - 667,874位 (本のベストセラーを見る)
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愛憎 2006/3/29
By ヤマボー トップ500レビュアー
形式:単行本
20編の短編が収録されているが、その大半は結婚生活の愛憎劇である。疑心暗鬼で腹の底を探りあう夫婦もあれば、女房の尻に敷かれ、いいように操られて、言葉や行動で太刀打ちできなくなった夫が相手を殺してやろうと計画。しかしそこは短編の面白さ、当然のどんでん返しが用意されている。

ことに異色でかつ面白かったのが「マドモアゼル・キキ」。港町のカフェで飼われている精力絶倫のメス猫キキが主人公。ハリケーンを予知するキキを、漁師たちは大切にするが彼女には全く別の思惑があるのだった。猫好きには是非読んでいただきたい作品。

もっと異色なものはなんとノミが主人公の「ギャビン・オリアリー」。全体を通しての感想は、SFやファンタジー要素は少なくて、平凡な日常に隠れている人間の感情を扱った作品が多く、初めて読んだ作家だったが面白いと思った。
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5 人中、5人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:単行本
 冒頭の『夢判断』を読んで、今から三十数年前の中学〜高校時代、県立図書館でこの作品を初めて読んだときの衝撃が蘇りました。

 三十八日前から、三十九階建てのビルの屋上から一日に一階分ずつ落下する夢を見る青年が精神科医を訪れます。オフィスはそのビルの二階にあります。青年が昨夜見た夢はこのオフィスの外を通過して、窓から中を覗いたら精神科医と自分の婚約者が抱き合っていた、というものです。ところが医者には身に覚えがありません。やっと青年を納得させて帰した直後、とびこんできた初診の患者は……最後の一行を読んだ後、時空がねじれるような不思議な恐怖感を覚えます。

 本書には様々な夫婦が登場し、いろんな駆け引きをしています。その中で『記念日の贈物』と『死の天使』に登場する夫婦は、まるで相似形。しかしどうして男があんな目に遭うのかなあ、と嘆息してしまうのは、きっと私が男だからでしょう。

 そうかと思うと『保険のかけ過ぎ』のように夫婦両方に「おいおい」と言いたくなる作品もあります。なんにせよ収入の九割を保険の支払いに充ててはいけません。

 『ギャヴィン・オリアリー』は主人公がなんとノミです。東部でぬくぬくとすごしていたのが、突然ハリウッドスターに恋をして、ハリウッドまでヒッチハイクで大陸横断! やっと憧れのスターに出会えたギャヴィンが何をしたかというと……わはははは。

 『死者の悪口を言うな』……これまた異色。読んでいる途中で「これはまるでアンジャッシュのすれ違い勘違いコントだ」と思いましたが、やはり最後でぞぞぞとします。そうですね、死者の悪口を言ってはいけません。

 好き嫌いは別れるでしょうし作品の巧拙もありますが、本書の20編の短編で私は十分幸せになれました。
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2 人中、2人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By 夢追人009 トップ500レビュアー
形式:単行本
本書には、常に人間は悪い生き物なんだと言う性悪説に立っているのかと思える程の悪意に満ち満ちた20編が納められています。当然、読後感がすっきりとする作品は少なく、むしろ後味が悪いだろうなと最初から覚悟して読む方が良いでしょう。これほどブラック・ユーモアを極めた作風も珍しく、必然的に体質に合わない方もおられると思いますが、それでも世間に迎合せず頑なに自分の道を固持する職人気質のコリア氏の芸風はファンにとっては貴重な宝石と言えるでしょう。

『記念日の贈物』『クリスマスに帰る』『旧友』『カード占い』『保険のかけ過ぎ』『死の天使』『死者の悪口を言うな』は、何れも夫婦間の揉め事の話で、最後までどちらが笑うのか、さだかでありません。本当に笑っているのは悪魔というのが真相でしょう。ラストの『少女』は青年が少女を森に連れて行こうと母親に別れを告げる話です。グッドバイ♪さようなら。人間の想像力次第で如何様にも読み取れる技巧の冴えた一篇です。

彼の描く世界に於いては、正義が必ず勝つとは限りません。場合によっては、胸が悪くなって、胃がもたれるかも知れませんが(河豚の毒というのも御座いましたね。)、どうぞ覚悟の上で絶品料理のフルコースをご賞味下さい。
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