少年花嫁シリーズの第3巻目です。「千と千尋」の様な面白い妖と八百万の神々がでてくる作品です。手に汗握る退魔と、ボーイズラブのような男の子同士の恋愛ストーリーで構成されています。香を使った奥深い退魔ファンタジーの話にも関わらず、可笑しな愛すべき妖や登場人物のおかげで、とっても読み易く楽しい感じになっています。
今回の読みどころは、婚約披露の直前に逃げ出した摂関家の血筋で元婚約者 蝶子が、主人公 忍を追い出す為に舞い戻って来て香司をめぐってバトルに発展していくところ。健全でノーマルな少年の忍も、つり橋効果よろしく香司と2人で妖と戦い危機を乗り越えていく内に、次第に同性の婚約者 香司に心引かれてしまい、忍は辛い日々を送ることになる。一方、妖のバトルの方も、恋のバトルを上回るような百鬼夜行の到来で、殆ど最終巻かと思うよな迫力で進行していきます。
偶然なのか運命なのか、出会った2人の少年の想いが次第に本物になっていく過程が、うれしくもあり、ハラハラ、ドキドキさせるものがあります。自分よりも相手を思いやる気持ちが、2人の重なり合った時に読む人の心をも動かします。