本作の岡田茉莉子の美しさはDVDジャケットでも確認できる通りだ。
モノクロームのスタイリッシュな画面に和服がよく映える (洋装より和装が圧倒的に良い)。
目線の美しさが際立つ。 襟首の美しさに目を奪われる。 映像で愛撫しているかのような画面まである…。
本作は公開時成人指定だったという。
肌の露出は肩や背中を出している程度だが、確かにかなりエロい。 終盤、ホテルの一室での木村功に対する目線 (←凄い演技) などその代表。
襟首を繰り返し写すカメラワークはかなり印象的。
主人公 (岡田茉莉子) はあくまでクール。
夫や愛人との修羅場でもその言葉や所作は乱れない (そこがクールだ)。カメラはロングショットだったり、ガラスや樹木越しにそんな主人公を捉える。
だが、
主人公の感情が堰を切って溢れる時に物語が大きく動く。 その時カメラはグッと寄っていく。 クールな表情の下から感情があふれ出す。 情感と表情の変化が見所だ。
クールといえば映像(構図など)や音楽もとてもクールでスタイリッシュ。
幻想的な場面もあり、どこか前衛的な印象がある。
例えば、繰り返し挿入されるダンプに引かれるイメージや労務者の家のイメージ (←『イレイザーヘッド』を連想した) などだ。
話の内容は比較的通俗的な不倫物 (立原正秋の原作は未読) でシンプルなのだが、そういった部分もあり本作の仕上がりは普通のメロドラマとは一線を画している。
本作は
吉田監督の天才的に美しい映像と女優にして監督の妻である岡田茉莉子の美しさが交じり合い純化して時代を超えた価値を獲得している。
(正直、他の要素はおまけといった感じだ)
私にとって、それが本作の価値のほぼ全てだ…それで十分である。 すっかりヤラレました…。
このDVDジャケットにグッときたら…お勧めします。