バカミスの第一人者である作者初のホラー作品。
全編に亘ってエログロナンセンス全開ですが、骨組み自体は怪異現象のメカニズム
を解明するオカルト探偵ものといったつくりで、意外と端正です(そういった意味では、
“呪い”がプロットを駆動していく
『リング』の系譜に連なる作品ともいえると思います)。
サイコロにオカルト的意匠が施され、本作全体のモチーフになっているのですが、
そのサイコロに呪力が宿る原因となった、ある人の“殺され方”が、実に悪趣味
かつ陰惨で、強烈な印象を残します。
とはいえ、刺青を入れられた剥製ラット「タチュー」だとか、パンストを被らされた
三人の債務者が、顔中ゲロまみれになりながら借金帳消しを賭けてダイス博打
をする「パラダイスラン」といったあたりは、よくもまあ、そんなしょーもない、もとい、
ユニークな着想を次から次へと思いつくなあと感心させられます(あと「タマ串放電」w)。
結末で明かされる真相も、ホラーと悪趣味と笑いが、作者一流のさじ
加減で渾然一体となっており、他では類をみない、まさに《奇妙な味》。
一読して損はない作品だと思いますが、エログロ耐性は必須ですw