IWGPでおなじみの作品の6作目。
若干マンネリ化のにおいはするが、期待は裏切らない。
それはきっと、毎回この小説が描いているのが「今」であって
新鮮な池袋の街の臭いが伝わってくるからかもしれない。
(とくに池袋に住んでいる人にとってはニヤリとする様な街の変化も描写されているしね)
今回は表題にあるように特に「灰色」をリンクさせるように各章を描いている。
盗撮画像で大金を手にする小学生。
5千円を奪うために、他人の一生を踏みにじった強盗半。
なんど捕まっても少年犯罪をくりかえすロリコン親父。
池袋を子供が歩けるきれいな街にしようとする副知事。
各章に登場する登場人物は全員クレイジーだけど、
全てを悪(黒)と言い切れない社会の難しさを滲み出させる。
石田衣良の軽快なストーリー展開でかるく読めるのだけれども、
割り切れない灰色な感触を残すのはこのシリーズの特徴。
「新しい法律をひとつつくるたびに、どんな形で苦しむ人間が出るか。
その証として、いつも手元において、眺めて欲しい」 by まこと
「全部が白か黒か、ゼロかイチかで割り切れたらどんなに楽だろうな」 by まこと
あんまり真面目になり過ぎるのも良くないけど、いつも灰色の部分を残しとかなきゃな、と思う。