● 原題は、THE GREY ZONE(仮訳:灰色地帯)である。この邦題の由来は、ストーリーの最終部分に出てくる。
● 第二次世界大戦中、ポーランド・アウシュビッツ強制収容所では、処刑された収容者の焼却などは、新しく入った収容者が請け負っていた。焼かれた体は灰となり、その大部分は川に捨てられるが、残った灰は灰色のチリとなり、空中に漂う。この灰色のチリは、絶えることがない、とナレーションが入るのである。
● 一人の少女がガス室で生き残こる。この少女をユダヤ人医師とその仲間が命をかけて救い出すというストーリーである。人間の温かみを感じることができ、感動する。
● なぜ、この少女を助けようとしたのかは、ある仲間が、少女に説明している。このきっかけとなった事件はストーリーの冒頭に出てくるのだが、あまりに冒頭に置きすぎたために、少々‘とっぴょうしもない(唐突な)’感じがするところが惜しまれる。伏線の敷き方にもう一歩工夫が必要だったかもしれない。
● 文部科学省選定作品であり、高校生以上の年齢の子どもには、ぜひ観て欲しい作品である。しかし、私的には、この映画が鑑賞に適するかどうかは、子どもの年齢や性格によるかもしれないと思う。
● 暴動に加担した人々が広場に集められて処刑される場面は、明るい太陽の下で行われるだけに、かえって衝撃的になっている。暴動に使用する火薬を盗んだ首謀者が白状するまで仲間を射殺し続けるという集団リンチの場面も、子どもの心には恐怖心を与えるかもしれない。