全体にどこか親しさと温かみを感じさせるアルバムだ。いい曲ばかりだが、特に「それはスポットライトではない」と「センチメンタル・ジャーニー」が核になっている。
「センチメンタル・ジャーニー」は、本人が書いた日本語詞がいい。初めて聴いたとき、あらためてこのスタンダード曲の味わいに気付き、さらに好きになった。
オーティス・クレイの「あなたなしで」や、「Just Another Honkey」、ラストの「何処へ行くの」の明るい調子の歌が、アルバム全体の明るく親しみやすい雰囲気を決めている。特に快調に走る2曲目の「あなたなしで」がいい。
スローな曲ではよくトロンボーンが使われているが、ここでも「夜」で向井滋春がいい感じで絡んでくる。「思いがけない夜に」のユーモラスな歌詞も、ミュージシャン仲間との交流を感じさせていい。
「客のないライブ盤」という感じで、あまりタイトな作りではない。もちろん腕利きばかりだから、いい感じのノリを出している。重ね録りでは出ない一発録りの自然なよさだ。
聴き終わると、また聴きたくなる。粒よりの8曲。