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火照らせて (双葉文庫)
 
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火照らせて (双葉文庫) [文庫]

黒沢 美貴
5つ星のうち 4.0  レビューをすべて見る (2件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容紹介

「”ピンクのタオルを持ってる女はエッチOK”の露天風呂がある」という噂を聞きつけ、とある温泉旅館にやってきたお気楽フリーターの孝紀。だが、噂はとんでもないガセネタで、痴漢騒ぎを起こした孝紀は、罰として下働きの身に。酔うと乱れるキャリアウーマンや欲求不満の人妻ら、様々なお客に翻弄される彼を、美人すぎる女将・桃代は優しく包み込んでいく。

内容(「BOOK」データベースより)

“ピンクのタオルを持つ女はエッチOK”と囁かれる混浴露天風呂を目当てに、山奥の温泉宿を訪れたフリーターの西山孝紀。だが、痴漢騒ぎを起こしてしまい、罰として下働きの身に。酔うと乱れるキャリアウーマンや欲求不満のセレブ妻ら様々なお客に翻弄される孝紀を、美人女将・桃代は優しく包み込んでいく。書き下ろし長編爛熟エロス。

登録情報

  • 文庫: 296ページ
  • 出版社: 双葉社 (2010/10/13)
  • ISBN-10: 457551389X
  • ISBN-13: 978-4575513899
  • 発売日: 2010/10/13
  • 商品の寸法: 14.8 x 10.6 x 1.4 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.0  レビューをすべて見る (2件のカスタマーレビュー)
  • Amazon ベストセラー商品ランキング: 本 - 542,891位 (本のベストセラーを見る)
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タイトルからして品があるというか一線を画した感がある。「ピンクのタオルを持ってる女はエッチOK」という導入の分かりやすさに少しコミカルなテイストを加えつつ、温泉情緒と旅館風情を感じさせてくれる良好な作品である。濃厚で官能美に溢れた情交描写も随所にあり、花に例えた女薫には何とも言えない上品さまで醸している。

旅館が舞台なのでヒロインに女将がいるのは当然として、他に旅館を取材に訪れた雑誌記者がいれば宿泊客が3人も出てくる賑やかさがある。20代前半のイマドキな娘っ子に20代後半の和風美人、30代の気まま(ではないのだが)な一人旅の女性からセレブ人妻まで年齢もキャラ設定も幅広く、計5人もの女性陣にあって女将が25歳という珍しさを見せている。これは、冴えないダメ男で始まる主人公の28歳を意識してのことであろう。訳あって(というか、噂に騙されて迷惑をかけた代償として)旅館を手伝うことになった主人公が、仕事を通じて自らを振り返り、献身的に働く女神のような女将に触発されて成長を遂げ、元より恋慕の情を抱いていた女将の哀しい過去を踏まえて愛情に転化いていく物語がしっかり描かれた果てに甘くて優しい結末を迎えているからである。時に考えさせられる含蓄もあるドラマ部分は相当に出来が良く、純粋にストーリーを追っていくだけでも楽しいほど。自ら“離婚記念日”と称して内心の寂しさを紛らわせようとしたり、セレブと言われるも実際はとても窮屈な生活を強いられていたりと、女流作家らしい視点で本音と建前を盛り込む良さもある。しかも、ここに百合展開から3Pに雪崩れ込んだり、上品な熟女を辱めたり、逆に幼い感情を慰めつつ諭してあげたりする情交描写が加わるのだから、頁数の割に盛り沢山な内容だなと思った。欲を言えば、女将との心はともかく体の交流が最後だけではメインヒロインなのに活躍の場が少なく、もっと出番があれば良かったかなと。ちょっとヤキモチ焼いたりする可愛らしさも実にナイスな女将だけに。
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黒沢氏にして「男」が主人公というのもなかなかお目にはかかれない。「ふしだらな左手」シリーズ以降初であろうか?もちろん男性目線といっても強さを出してしまっては台無しで、女性本意は失わせずしなやかさを読者に読ませる。そこがページを進ませる妙だ。双葉文庫の氏の作品には居酒屋が舞台の前作「待ち濡れて」があるが、今作「火照らせて」は、人情と旅情という旅館が舞台である。氏の趣味と実益をかねたと思える取材による情景描写はいつもながら楽しませてくれる。旅館ならではの食材については「お高い老舗旅館」を想像してしまうのだ。

「ヴァージンマリア」「淫と陽」といったハードなシリーズものと比べると「漂う性の匂い」はソフトなものとなっている、女性がファンになる要素を盛り込んでいるのがこの「火照らせて」などの双葉シリーズなのだろうか?読み比べてしまうとやはりやわらかい。またこの作品では景色の範囲がせまい。そこは悪いところではなく、旅館という四季の風景が異なるという意味では景色は多彩だ。ゆえにもう少し長期間で楽しみたい気がする。旅館はやはり長期滞在がいい。

氏にしては音楽、酒が少なかったのがめずらしい。旅館は静けさとお湯が主役だからだろうか。読者はピンクのタオルを持って湯船にいこうではないか。
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