西田敏行は大げさながらも、さすがに演技は上手いし、大竹しのぶの複雑な感情が凝縮された演技は、見事としか言いようがありません。織田信長を演じる椎名桔平も悪くない。
中盤までいい感じだと思っていたのですが、編集のぶつ切りや過剰な描写が鼻につき始め、大柱となる巨木を探しに行くエピソードで、主人公と木曽の杣人(そまびと)甚兵衛(緒形直人)の交流の様子が浅すぎて、甚兵衛が主命に反しまで檜を送るという心理がうまく表現できていないのが致命的で、大黒柱となる大木が運ばれてくるシーンの感動が薄くなってしまった。
そして、とって付けたような福田沙紀が学芸会なみに演じるラブストーリーが加わり、あとの親娘のドラマも「なんだかなぁ」と思えてしまう。
さらに、水野美紀演じる女の正体にまつわる唐突なエピソードがアクションドラマ的に挿入されます。こんなところで、娯楽活劇はいらない。もう、違和感ありありですよ。
それよりなにより、築城の技術的な話になったのは最後の方だけで、しかも、城が建つのが速すぎ。(苦笑)
安土城築城には謎が多いのですから、もっとじっくり宮大工岡部又衛門の闘いをもっと、もっと観せて欲しかった。築城に携わった人達の努力と苦労や当時の建築技術。建築に使われた数万点の資材に纏わる話とか、それらを集めていく様子を描けばよかったのに。
主人公はもちろん、人々の力が結集して一大事業が成し遂げられていくという展開を強く打ち出した方がよかった。いっそのこと『プロジェクトX』的なアプローチに徹して描いた方が盛り上がったと思います。