第4巻の舞台は、奈良時代の日本です。
奈良の大仏建立を軸に二人の彫刻師の人生が対比されてゆきます。
浄土真宗の開祖、親鸞聖人は「悪人正機」を著しました。
現在でもその解釈を巡ってしばしば論争の種になります。
極悪人、我王。彼は幸福な両親の下に生まれますが、事故で不幸を背負い込みました。
冷遇され続け、こころは捻じ曲げられ悪に染まってゆきます。
若き天才彫刻師、茜丸と偶然出会います。
二人の運命は交錯しながら、悟りと我欲を繰り返してゆきます。
『火の鳥』は仏教の輪廻転生が根底に流れているテーマですが、第4巻ではそれがはっきりと打ち出されます。
仏の説いた、色即是空の真の理解へと物語は進行してゆきます。
恐ろしいまでの奥行きを持った作品でした。
第3巻の『ヤマト編』を受け継ぐストーリーでもあります。
『火の鳥』は、読み終えてしばし陶然といたします。
本当に凄い漫画です。