確か高校生の時初めて読んで、しばらく頭がくらくらしてしまったことを今でも覚えています。 日本史の最初期を描いた第一弾”黎明編”に続いて放たれた第二段は、いっきに人類の歴史最後の日へと物語が移ります。 この構成がまず型破りですなのですが、物語はそこで終わりません。 人類最後の日を描いた小説や映画は掃いて捨てるほどあるでしょうが、その最後の日からさらに何十億年という未来をも描いた物語というのは他に聞いたことがありません。 この作品は、おそらく手塚先生の生命観というものを余すところなく描いた、独創性という点においては頂点に位置するものではないかと私には思えます。
漫画に限らず、世の中にはあまたのクリエイターと呼ばれる人たちがいて、みんなそれぞれの生命感を持っていると思いますが、それをこの様な物語で表現した例はちょっと(私の知っている限り)小説にはありませんし、映画でも見た記憶がありません。 現代のハリウッド映画なら映像化可能でしょうが、キリスト教やイスラム教の文化圏には、この様な発想をする人はいないのではないでしょうか? 手塚先生は中学生時代の試作"ロスト・ワールド”において、”これは漫画に非ず、小説にも非ず”という前置きを書いたと言われていますが、それを本当に達成したのはこの作品だったのではないでしょうか。 "火の鳥"の中で私の一番のお薦めはこれです。