「火の鳥」の雑誌オリジナル版が読める、という一点にこのシリーズの大きな価値があり、それ以上語る必要もないのだろうが、やはりB5大型判、カラ―はカラ―のままで読めるのは、大変ありがたい。
これまで見たこともない毎回の扉絵が完全収録され、「第○回」というスタイルで各話が始まるので、ひと繋ぎにした単行本バージョンとは趣きがまるで違う。当時の雑誌を読んでいるような気分、といえばいいか。軽いタイムスリップ感覚(?)を覚えたほど。
カラーページはカラ―のまま収録され、「COM」と同じ濃紺の刷り色もうれしいのだが、将来も変色しにくそうな良い紙を使い、これでもかというくらいのゴミ・汚れ除去。堅牢なケースと、黒と金の2トーンが重厚なムードで、手触りの良い表紙。さらに、マンガなのに、花切れとスピン(紐)付きという凝りようはハンパではない。
「火の鳥」という至宝を、最上のパッケージに収めた本。私は大変満足した。万人にお薦めとは言わないが、高額のハンディを乗りこえてたっぷりお釣りのくる、最上の出来ばえを、まずは讃えたいと思う。「未来編」以降が毎月楽しみである。