文句なしに面白い巻でした。
主人公はさほど目立ちませんでしたが、脇役達がカッコいい事といったら。
特に北での寄せ集め部隊の戦いは、出色の出来でした。
絶望的な状況に対しては斯く対処するべし、というお手本のような背中を見せてくれます。
弱い者がもっと弱い者を守るために、少ないリソースと僅かなアドバンテージを最大限に活用して、身を削るようにしながら粘りに粘る。
そしてその中で培われる、共に血を流して築き上げられた、出自や身分にへだてられない信頼関係。
まさに燃え展開。
こういう姿を見ると、なんだかんだ言いつつ身分に一番拘ってるのジェレイド達なんじゃないの? という気がしてきます。
彼が善意で動いてるのは判らないではないのですが、やってる事は外道の所業というか。
手段が悪辣というより、性根が悪なんじゃないかと思われる部分が少々あります。
今回、解放軍から一隊、国王軍から一隊、そしてムニャムニャ(←ネタバレにつき伏字)が一隊それぞれ北に向かうのですが、
それぞれがやった事を見ると、解放軍ってちょっと……。
ジェレイドは事が成った暁には大人しく自分が処刑されるから、他の人には手を出さないで、みたいなカッコいい事を約束してますが、
いざその時になってみれば、彼に多大な恩義や友情がある解放軍の仲間が大人しくジェレイドの処刑を見過ごす可能性はほとんどないわけで、
そうなればまたぞろ反乱、という事になりかねないから、それを避けようとしたらジェレイドを殺す事は出来なくなります。
つまり、和平交渉の中でしたその約束も反故にされる可能性が高いわけです。
守れない約束なら最初からするなよ、と私などは思うのですが、この人、誠意ってもんはあるんでしょうか。