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瀬戸内寂聴紀行文集〈5〉美のみち (平凡社ライブラリー)
 
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瀬戸内寂聴紀行文集〈5〉美のみち (平凡社ライブラリー) [単行本]

瀬戸内 寂聴
5つ星のうち 5.0  レビューをすべて見る (1 カスタマーレビュー)
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商品の説明

内容(「BOOK」データベースより)

私は若いころから、なぜか旧い道をたどっていくのが好きであった。旧い道にはひっそりと道しるべの石柱が半分土に埋もれながらかしいでいたり、道祖神が道しるべになっていたりする。そんな道をうつむきがちに、自分の影法師だけを相手に歩いていくと、私は遠い昔の女たちが、この道を歩きながら、どれほどの涙をしみこませていっただろうかと、ふとため息がつきあげてきたりするのであった―紀行文学の最高傑作。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)

瀬戸内 寂聴
1922年、徳島市生まれ。東京女子大学卒業。1957年、「女子大生・曲愛玲」で第3回新潮社同人雑誌賞受賞。61年、『田村俊子』(文藝春秋)で第1回田村俊子賞受賞。73年、中尊寺にて得度。師僧は今春聴(東光)。87年、岩手県浄法寺町の八葉山天台寺の第73世住職として晋山(2005年まで)。96年、現代語訳『源氏物語』(講談社、全10巻)を刊行。97年、文化功労者。2006年、文化勲章受章(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

登録情報

  • 単行本: 296ページ
  • 出版社: 平凡社 (2007/10)
  • ISBN-10: 4582766269
  • ISBN-13: 978-4582766264
  • 発売日: 2007/10
  • 商品の寸法: 15.8 x 11.2 x 1.8 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 5.0  レビューをすべて見る (1 カスタマーレビュー)
  • Amazon ベストセラー商品ランキング: 本 - 1,098,825位 (本のベストセラーを見る)
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形式:単行本
 美の紀行文集である。全体は地域別に「初瀬詣で」「木曽路の秋」「古都旅情 近江路・大和路」に分類され、古典・古歌・仏教関連の言葉を引用され、単なる紀行文ではない奥行きをもたらしている。
 ここでは、私の参考になった(個人的好みにすぎないが)「花と風鈴」を紹介しておきたい。
 北鎌倉の因縁深い東慶寺に行き、井上禅定師から紫陽花の根付きの苗をもらう。この日のお土産の中にもう一つ小さな風鈴があった。掌に入ってしまいそうな小さな青銅の風鈴で、「なんとも言えずいい音色」であった。京都嵯峨に帰って庭の風遠しのいい楓の木に吊した。リンリン凛と、いとも妙なる音を立てる。
 それだけではない。道元禅師の「正法眼蔵」を開き、風鈴の詩を確かめようとする。
 
 渾身口に似て虚空に掛れり(風鈴が全身口のようで虚空にかかっている)
 東西南北の風を問はず(風のままに身をまかせて鳴り)
 一等他が為に般若を談ず(怨親平等に誰のためでもなく【般若】の境地だろう)
 滴丁東了滴丁東(チチンツンテン、チチンツン)

 虚空に遊ぶ「風鈴」が実は「般若=仏法の真実の姿をつかむ知性」の象徴とみなしている。
このような頌が摩訶般若波羅蜜の章に書かれているという。
 なにかいいことを知った気がしてすっきりした気分になる。なんでもない鈴・風鈴に理想を感じるところに、仏心の感じられる人の叡知があるように思う。
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