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瀬戸内寂聴紀行文集〈2〉嵯峨野みち (平凡社ライブラリー)
 
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瀬戸内寂聴紀行文集〈2〉嵯峨野みち (平凡社ライブラリー) [単行本]

瀬戸内 寂聴
5つ星のうち 5.0  レビューをすべて見る (1 カスタマーレビュー)
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商品の説明

内容(「BOOK」データベースより)

桜の美しさに惹かれての嵯峨野散策、小倉山にかかる月を仰ぎながら聞く虫の声、遠い山も近い山も日ごとに濃くなりまさる紅葉、雪に滲みて影絵のような曼荼羅山の清明な姿、嵯峨野の四季には、それぞれの風情がある。また、観光客から離れて、細道へて辿ってゆくと、思いがけなく野の仏が佇んでいたりする。旅のなつかしさに出会える珠玉のエッセイ集。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)

瀬戸内 寂聴
1922年、徳島市生まれ。東京女子大学卒業。1957年、「女子大生・曲愛玲」で第3回新潮社同人雑誌賞受賞。61年、『田村俊子』(文藝春秋)で第1回田村俊子賞受賞。73年、中尊寺にて得度。師僧は今春聴(東光)。87年、岩手県浄法寺町の八葉山天台寺の第73世住職として晋山(2005年まで)。97年、文化功労者。2006年、文化勲章受章(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

登録情報

  • 単行本: 305ページ
  • 出版社: 平凡社 (2007/03)
  • ISBN-10: 4582766064
  • ISBN-13: 978-4582766066
  • 発売日: 2007/03
  • 商品の寸法: 16 x 11 x 2 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 5.0  レビューをすべて見る (1 カスタマーレビュー)
  • Amazon ベストセラー商品ランキング: 本 - 1,002,017位 (本のベストセラーを見る)
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By 宣長さん トップ50レビュアー
形式:単行本
 嵯峨野讃歌である。著者は嵯峨野に最もふさわしい人であろう。主客も今昔も、渾然一体となって、文学的な次の一節など、それを象徴するように思われる。 

 嵯峨野の花々と、恋をあきらめてそこはかとかくれすんだ女たち。どの花がどの女のおもかげを伝えているのか、今も静かに嵯峨野を歩いていると、思わず、物語の昔と今が、渾然ととけまじって、自分がいつの時代に住む人間であったのかと、不思議な迷いの霧にとじこめられてしまうのである。

 本書タイトルの「みち」は、大通りではなく、「迷うほどなつかしい」細道である。次の一節は寂聴という名のとおり耳を澄まして【寂】びさびと古の声に【聴】き入る心境を示すものであろう。 

 私は鮮やかで美しい、そしてひなびたということばがいかにもふさわしいこの奥嵯峨野小道をたどる時、いつでも信仰に名をかりて煩悩のほむらをしずめるための何げない逃避のよすがとしてこの道を歩いた昔の女たちのため息が、風の中から聞こえてくるような気がしてならない。

 嵯峨野に住みつき、何十年にもなる。おそらく終の棲家とするのだろうが、本書のしめくくりは、次の一文である。静けさの中にさまざまな嵯峨のつぶやきやささやきも、こちらが心を澄ました時にだけ流れこんでくる、と述べた後に続く文である。

 嵯峨野に自分が溶かされきって、無限の世界につれだされたような法悦がある。     

【法悦】が瀬戸内寂聴の内面を示すキーワードであろう。                  

               
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