「余の名はズシオ」「ARTIFACT;RED」、そして瀬戸の花嫁の初期〜中期まで
木村太彦は独特のカオティックなギャグセンスとキャッチーなキャラ造詣で
万人受けではないものの、非常に個性的で面白い作品を作り続けていた。
その世界観にハマった自分からすると、9巻以降の展開というのはちょっと退屈というか
何か安易に流行路線に迎合した感じがして、キャラも話もギクシャクしてる感じがあった。
新キャラも異様に増え続けて把握すら困難になり、以前のキャラをないがしろにしてる感じすらあった。
そこから前の13巻と14巻を読んでみて「おっ?」と思った。
単純に話のキレがまた戻ってきてるのと、彼独特の混沌とした世界観が復活のきざしを見せているな、と。
そもそも木村漫画の魅力というのは萌えとかそういうものじゃなく、
ジェットコースターのように駆け抜けるテンポの良い会話とカオティックな展開の妙だと思う自分にとって
ここら辺の話はインパクトも強くて、ごちゃごちゃせずにシンプルに回帰したような印象を受ける。
そしてこの巻では原点回帰のような話もたくさんあって、正直嬉しかった。
例えば久々に人魚の設定が最大限に活かされた「イン・ザ・プール」あり、
また新キャラばかり出しておざなりにされていた巡が久々にメインを張る話ありと
ファンにとっては嬉しい展開が多々あった。 また最後の巻と蕗が人化する話があるのだが
この回ではあらゆるヒロイン(一部男も)から告白されまくる非常に混沌とした話があって
正に木村太彦お得意の狂った展開を味わうことが出来た。
長い迷走の季節を抜け再浮上の予感がする最新刊。
ただ完全復活!という所までいってるかどうかは断言できず、
ちょっとオチが適当な部分もあるのでここから更なる復調、加速を期待したい。