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激闘マリアナ沖海戦―日米戦争・最後の大海空戦 (光人社NF文庫)
 
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激闘マリアナ沖海戦―日米戦争・最後の大海空戦 (光人社NF文庫) [文庫]

江戸 雄介
5つ星のうち 4.0  レビューをすべて見る (1 カスタマーレビュー)
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商品の説明

内容(「BOOK」データベースより)

アメリカ軍から“マリアナ沖の七面鳥撃ち”と名づけられた悲痛なる戦いの実相を、国際経済ジャーナリストの眼がとらえた日米対照戦記。技量未熟な若年搭乗員、航続距離の長い搭載機―その二つを考慮して生み出された『遠距離先制攻撃』戦法もむなしく、大敗を喫した運命の対決を綴る話題のノンフィクション。

登録情報

  • 文庫: 298ページ
  • 出版社: 光人社 (2000/02)
  • ISBN-10: 4769822642
  • ISBN-13: 978-4769822646
  • 発売日: 2000/02
  • 商品の寸法: 15 x 10.6 x 1.2 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.0  レビューをすべて見る (1 カスタマーレビュー)
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形式:文庫|Amazonが確認した購入
華々しい戦争の火蓋をきった真珠湾攻撃、そして初めての手痛い敗戦であるミッドウェー海戦は非常に有名なのに対して、その後の海戦は語られることが少ない。自分はほとんど知らなかった状態で本書を読んだので非常に参考になった。

本書はミッドウェーの後、アメリカ軍が少しずつ日本の南太平洋の占領地であった島々を食い荒らしていき、最後の決戦であるマリアナ沖海戦をクライマックスとして大変読み応えのある本になっている。

淵田 美津雄氏の著作「ミッドウェー」と異なり、著者の江戸雄介氏は当時中学生で戦争には直接関わっていなかったことから全て著者が戦後に調べた資料がベースになっているので実際に船に乗っていた人たちの証言を直接読んでみたいものだが、著者は繰り返し日本軍の作戦の甘さを指摘する。ミッドウェーの作戦も空母四隻沈められても、大和をはじめ戦艦駆逐艦の機動部隊でミッドウェーに上陸できたと述べているが、これは、淵田氏の本を読んだ自分は江戸氏の主張はちょっと受け入れられないと思った。飛行機なしで艦隊だけで島に行けばそれこそ敵戦闘機の餌食になるだけではないか。

さらに江戸氏は、山本長官そしてそのあとを継いだ古賀長官が艦載機を島にあげたことが飛行機を大量に失うこととなった原因と主張するが、ここも自分はよくわからなかった。空母にのせるより島に上げておいたほうが離発着もだんぜん有利ではないか?おそらく江戸氏の主張は、日本の「庭」である南太平洋にはいりこんだアメリカ機動部隊をもっと積極的に空母で波状攻撃せよということなのだろう。
実際何度か日本は善戦しているが、そのたびに波状攻撃をせず敵にダメージを与えてすぐに退却してしまう。一方アメリカは、ニミッツ司令長官の元、猛将ハルゼーは山本五十六の心が折れるまで徹底的に攻撃する。ミッドウェーの直後はまともに動く空母も戦艦も少なく、日本の艦隊の方が明らかに強力であったにかかわらず、どんどんせめて来る。その結果、山本長官は折れてしまい、死の飛行にでる(山本は突然の攻撃に殺されたのではなく攻撃されることを知っていたと著者は言う)。

この辺も最初から日本はアメリカを降伏させようとは全く考えておらず(できるはずがない)、アメリカを辟易させてしぶしぶ日本の南太平洋での存在を認めさせるのが目的であるのに対し、アメリカは大国に楯突いた小国に目に物見せてやれとばかり最後は原爆まで落とすのが目的だったわけだから当然戦争のやりかたも変わるわけで、単純に日本の軍部のファイトのなさをアメリカと比べて責めるのはどうかと思った。

とは言え、江戸氏の話に納得することも多い(納得する話のほうが多い)。大和ホテルと陰口をたたかれたように大和の快適な長官室で指示をしている一方前線に出て空母を積極的に護衛しない山本長官は非難されてもしかたがないと思うし、最後の長官小沢治三郎の「アウトレンジ戦法」にいろいろ疑問の余地があるのは確かだと思う。また、戦後日本はアメリカに「物量で負けた」と言うけれど、防御もない軽い零戦等(軽いから早くて航続距離が長い)を大量に投入(最後は損失率はアメリカ1に対して日本10機!)してベテランを皆殺しにしたあげく予科練の少年までバンバン死地に追いやった。ガダルカナル島などでは戦死者よりも飢え死にした兵士のほうが多かったというし、命も飛行機も大切に使わないで使い捨てのように物量主義で投入していたのは日本だというのはなんたる皮肉か!

ミッドウェイもさんざんな負け方だったけれど、それなりに奮闘したし、最後はヨークタウンを沈没させたけれど、マリアナ沖海戦の結果はあまりにもみじめだ。アメリカ兵に「マリアナ沖の七面鳥撃ち」といわれたほど、七百機の飛行機の90%以上を無意味に撃墜もしくは行方不明にさせた作戦は結果的には最悪だった以外言いようがない。確かに、日米同時にお互いを発見しても攻撃をかけられるのは日本側のみだけれど、相手はレーダーという最新技術があるわけで、発見されてから空の防備を固められた場合をどう想定したのか。実際はアメリカは日本の機動部隊の位置すらつかめていなかったのに訓練もできていない少年兵たちが操縦する飛行機が到着するころにはヘルキャット部隊が上空でてぐすねひいて待っていたわけで、どこにアウトレンジ戦法の優位性があったと想定したのだろうか。

さらに江戸氏の日本人論は淵田氏と通じるものがある。合理的効率的に人を育てるアメリカに対して、徒弟制の日本。優秀なリーダーを抜擢してどんどん機会を与えるアメリカに対して、年功序列制の日本。政府民間が一丸となって戦争を仕切るアメリカに対して、閉鎖的でお役所体面、内部分裂の日本。戦後、なにか変わりました?いまの政府を見ていると何も変わってないどころかますます最悪になってるのでは?
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