以前よりは改善されたが、エネルギー政策について踏み込みが浅く、誤った記述が散見される。小水力に注力すべきとの主張は評価できるが。。(しかし規模に限界がある)
最も大きな欠点はこの期に及んで「原発はコスト安」と官庁の数字を鵜呑みにしている点である。『日経ビジネス』4月25日号「東電の罪と罰」で特集されている通り、約20兆円と推計されている最終処理費用を隠蔽した数字になど何の価値もない。
最もコスト安なのはガス・コジェネレーション(電熱併給)による分散発電であり、新たな鉱床や非在来型ガスの利用拡大が進んでいる点と併せて、JOGMECの石井彰氏が何年も前から指摘されていることである。
『天然ガスが日本を救う 知られざる資源の政治経済学』石井彰風力に関しても、最も立地に恵まれている青森、岩手、秋田には台風被害など殆どないし、期待の集まっている洋上風力発電(茨城・福島の沿岸は適地である)への言及が少な過ぎる。日本の技術力の高さが発揮されているジャイロミル風車やマグナス風車もご存じないらしい。茨城の洋上風力が震災後に大活躍したことから分かるように、風力は電力供給リスク軽減に必須である。
バイオマス分野ではまだ実用化もされていない藻類を賞揚されているが、欧州で既に急拡大している木質バイオマス利用の方が遥かに現実的である。低質木材を無駄なく活用できるペレットの価格は既に化石燃料より割安になっている。
『日本林業はよみがえる』梶山恵司また、自らが理解してない人口問題に軽々しく言及すべきではない。
中国の一人っ子政策に肯定的な見解が表明されているが、その歪んだ人口統制政策のために中国経済は2020年以降に深刻な試練に直面すると人口問題の研究者の殆どが指摘している。