海外事業に少しでも携わる方々、興味を持たれている方々、経営者から新入社員までの全てのビジネスマンにお薦めしたい。
前半では、マクロ視点での中国からアフリカまでの市場分析、そして製造業10業種の企業分析と、長期間に亘る細かな分析が図表を数多く用いて多岐にわたりなされている。後半部分では、過去の日本を遥かに凌ぐ勢いで成長し、ダイナミックに変貌する中国、インド、ASEAN、さらにその先には10億人以上の市場を抱える中東、アフリカ、過去の成功神話に捉われず日本企業が今後10年、20年間に取るべき、したたかな“ウリ”づくりのための海外企業戦略を具体的に提言した内容になっている。
前半部分において、個人的には、バラはアフリカから輸入、モロッコでの半導体製造、メルセデス、BMW、VWは南アフリカ製、多くの日本企業が各国の証券市場に上場、中国とインドの経済関係、インドや中東のビジネスマンの動きを航空機の飛行状況で見て、そして中東、アフリカでの日系企業の動向など、具体的な企業活動が示されている点は非常に興味深いものであった。後半部分では、海外案件における、人事、広報、技術援助やロイヤルティの部分の具体的な内容にも興味を引かれた。著者の長年に亘る海外案件の略歴から、企業における海外の事業推進のポイント等を具体的に提言されている点にも納得がいく。
実際の書店では学術書の棚に置かれているが、上述の内容からも学術書ではなく“ビジネス書”としての視点で読むべき内容と思われる。