日本山岳界のドン(首領)小西政継氏の生涯を描いた作品。
青年期は、マッターホルン北壁・エベレスト南西壁・グランドジョラス北壁に挑戦し、山岳会での知名度を高めた。
壮年期は、山学同志会の牽引者としてジャヌー北壁・カンチェンジュンガ北壁・チョゴリ(K2)・エベレスト南西壁などに数多くのクライマーを挑戦、登頂させた。
熟年期は、ダウラギリI峰・シシャパンマ中央峰・マナスルに登頂。
小西氏の凄さは、登攀記録だけではない。
人生でもっとも良い仕事が出来る40歳代には実業家として山岳界に関わり、その後の足がかりとした。
そして実業家としてのある程度の成功を見極めた時点で、改めて登山に向かう決意をする。
そこで小西氏の真骨頂を見る。
若き日には頑固に拒否した酸素ボンベの使用をあっさりと認めるのだ。
自身いわく「登山はその時々のやり方で挑戦し、楽しめば良い。」
彼の生き方は、頑固でありながら実にしなやかで柔軟。
登山家という側面だけでなく、人間として憧れる部分が多いのではないだろうか。