現時点での彼らの最高傑作である前作「UROBOROS」から約1年ぶりの音源は、「秒「」深」、「残-Zan-」、「羅刹国」、「ピンクキラー」、「Obscure」、「朔」、「Clever Sleazoid」、「凱歌、沈黙が眠る頃」と
デヴューから脈々と受け継がれてきた「とてつもなくヘヴィでありながらも、哀しく美しい」曲をリードトラックとしたシングルである。
しかし、この曲は間違いなくこの系譜の曲、いや彼らのすべての曲の中でも最高傑作であり、DIR EN GREYというバンドを更なる高みへと押し上げるパワーを持っている。
「The Marrow ofa Bone」から顕著な、張り裂けんばかりの感情を前面に押し出した京さんのクリーンヴォーカルによるサビの美しさは言うまでもなく、ヴォーカルヴァリエーションをフルに使ったヘヴィパートでの絶唱、さらに力強くなったShinyaさんのドラム、曲のボトムを支えながらも存在を強調するToshiyaさんのベース、今まで以上に刻みのしっかりした薫さんとDieさんのギター。
これらの5人の個性とテクニックが最高の形で凝縮された完璧な一曲である。
あえて比較するならば、Slipknotにイエテボリサウンドをミックスした、という印象ではあるが、そんな簡単な言葉で表現できるほどの音楽ではないのも確か。
「Uroboros」以上にDIR EN GREYという音楽の確立がはかられている。
前作で飛躍的に向上したサウンドもさらにグレードアップし、特に京さんのグロウルが以前よりはっきりとなった(それにしてもToshiyaさん巧い)。
カップリングにはさらに初期Deicide度を増した「残-zan-」のリミックスである「残」、そして「蝕紅」のスタジオライブ音源を収録。
特に「残」は歌詞がほぼ英語になったことで以前よりも冷酷なイメージを植付ける(もっとも、ライブでもお披露目済みの通りヴォーカルは100%デスメタル化して聴き取り不可能だが...)。
「蝕紅」でも、オリジナルと比較することで、京さんの表現力、バンドの演奏力の成長が感じられる。
また、これらの再構築された曲を聴くことで、彼らの音楽性のコアな部分はデヴュー当初からぶれていないということが確認できる。
最近は「アクロの丘」をライブで披露したり、こんな完璧な曲を発表したりと、否が応にも次のアルバムへの期待は高まってしまうが、DIR EN GREYというバンドは必ずその期待以上のものを打ち出してくれるはずだ。