内容紹介
澁澤龍彦の、死の床での颯爽を伝えるメモラビリア。 via wwalnutsという匣に入ると、ただの講演録ではないものになります。 澁澤龍彦をめぐって神奈川近代文学館で行なわれた講演の後半。78年から87年の死までの知られざる澁澤龍彦像を浮かび上がらせる。澁澤から贈られた貴重な筆談録や葉書に加え、高梨豊の写真、加納光於の版画などを収載し、小さな玉手箱を思わせる一冊。
レビュー
「朝日新聞」2011/02/20手に取って、まずこれはメールアートと思うだろう。差出人は東京都八王子市の多摩美術大学教授で詩人の平出隆さんだ。ドイツから直輸入という白い重ねの封筒にタイトルと著者名、住所、イラストが印刷されており、あて先のシールが貼ってある。切手には消印が押され、通常の郵便で届く。中には8ページの、白いつやのある紙に印刷された作品。字の色や配置、イラストなど、デザインは厳密に考え抜かれ、美しい。しかしこれはまた、本でもあるのだ。 平出さんが昨秋から始めた極小出版の試み「via wwalnuts」叢書(そうしょ)は、封筒が表紙カバーに当たる。本である証明は、封緘(ふうかん)シールに印刷されたISBNコードとそのバーコード。日本図書コード管理センターに登録・申請すれば取得できる(有料)。そしてこの叢書はISBNコードを持つことによって、アマゾンを通しても注文を受けている。「個人雑誌ではなく、商業出版です」と、平出さんはほほえむのである。