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澁澤龍彦 ドラコニア・ワールド (集英社新書ヴィジュアル版)
 
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澁澤龍彦 ドラコニア・ワールド (集英社新書ヴィジュアル版) [新書]

澁澤 龍彦 , 澁澤 龍子
5つ星のうち 4.5  レビューをすべて見る (4件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容説明

澁澤龍彦愛蔵のオブジェを沢渡朔が撮りおろす。
澁澤龍彦が残したオブジェに纏わる文章を龍子夫人が精選、写真家・沢渡朔撮りおろしのオブジェ写真を付して構成するヴィジュアル版新書。初公開を含む愛蔵品の数々を紹介、澁澤の新しい魅力を掘りおこす。

内容(「BOOK」データベースより)

フランス文学者、作家、エッセイストとして、文化のさまざまな局面に力強いくさびを打ち込み、圧倒的な支持を受けた澁澤龍彦は、没後もなお光彩を放ち、人びとを惹きつけてやまない。そして自ら「ドラコニア」と名づけた「龍彦の領土」には、澁澤龍彦の少年のような無垢な心を感じさせるオブジェが、今も息づいている。本書は、それらのオブジェを、写真家・沢渡朔があるがままにとらえた写真と、澁澤龍彦自身の文章で構成した、ドラコニア・ワールドのオブジェ編であり、サド、エロチシズムと並ぶ澁澤龍彦の主要なテーマ「オブジェ」を具体的に浮かび上がらせたものである。

登録情報

  • 新書: 240ページ
  • 出版社: 集英社 (2010/3/17)
  • 言語 日本語, 日本語
  • ISBN-10: 4087205355
  • ISBN-13: 978-4087205350
  • 発売日: 2010/3/17
  • 商品の寸法: 17.2 x 10.6 x 1.5 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.5  レビューをすべて見る (4件のカスタマーレビュー)
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5 人中、5人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By みたか VINE™ メンバー
形式:新書
 澁澤龍彦的なるもの、というものは、確かにこの世に存在する。澁澤龍彦が愛したようなものが好きだという趣味、現象だ。
 手が込んで複雑であったり、歴史的文学的背景があったり、不気味で衒学的であったり。
 それをわたしは、ある種「通俗的なるもの」と考えている。
 澁澤龍彦的なものを好む人の趣味は、おそろしく個人差が小さい。何人集めても標準からの隔たりを発見することは困難だ。
 ゴスロリの少女服がどれも同じに見えるように。

 やはりこれは、ある種の通俗だと思う。

 正直に言えば、わたしはちょっと苦手である。
 四谷シモンの人形や、ウニの殻、骨格標本などを見ると、ほこりがたまりそうだと思うのだ。
 金子國義や加山又造の絵を見ると、線が細すぎやしないかとイライラするのだ。(いや、だからって、キース・ヘリングみたいな太い線で書かれても苛つきますけど。)

 その、なにかややこしそう、手入れが大変じゃないかと思う面倒くささが、実物ではなく本になったとたんに、意外と面倒でなくなくなるのだ。
 物理的な事情にすぎないが(紙の表面はつるつるして、ほこりなんかたまらない)、わたしの澁澤苦手感の大部分がその面倒くささであったことに気づけたのは、ちょっとした発見である。

 本で見る分には、そう嫌な物ではない。いや、むしろ好ましいかもしれないと思ったのだ。
 とにもかくにも、とても手の込んだものだから。
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3 人中、3人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
捨てない澁澤 2010/5/20
By picander トップ500レビュアー
形式:新書
古寺巡礼や西洋美術、書評など、澁澤龍彦のテーマ別アンソロジーは最近よく出版されている印象を受けるが、それだけ若い読者からの支持も多いということに違いない。
古今東西の芸術を渉猟し、それを意外なほど親しみある文章で書ける澁澤のような作家はなかなかあらわれるものではなく、今後も様々な角度から澁澤の文業が再評価されてゆくことだろう。
本書は澁澤が愛し身近に置いていた様々なオブジェの写真とそれにまつわる文章のアンソロジー。
澁澤は小学校から同じ三角定規を使っていたと冒頭で龍子夫人が書いている。
「集める」ことよりも「捨てない」ことに澁澤の世界構築の力点があったと考えるのは深読みしすぎなのかもしれないが、本書の各オブジェにまつわる文章は、そう思わせる独特の静けさが漂っている。
三角定規に限らず、本書で取り上げる貝殻も花札も琥珀も地球儀も、澁澤は捨てずにただ身近に置いておくことで、モノが自然に語り始めるのを待っていたのかもしれない。
そしてモノの自分語りを静かに耳をそばだてて聞き取り、自分の文章にしていく。
もちろん空想だけれど、澁澤の静かな文章はオブジェへの「溺愛」「偏愛」とは少し異なるし、例えばパイプ(のような形)への幼い頃からの愛着は、「自分でも説明がつかない」と書いているとおり、私たちにもその愛着の由来はよくわからない。
それでも、そのオブジェが写真とともに語りかけているのは間違いなく、澁澤の文章とともに、私たちもそのオブジェの来し方を静かに受け入れることができる。
このレビューは参考になりましたか?
2 人中、2人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By まる・ち トップ1000レビュアー VINE™ メンバー
形式:新書
 澁澤龍彦関連のビジュアルブックで、写真が沢渡朔、編纂が夫人の澁澤龍子と来たら、澁澤龍彦本人の新作でなくても買わないわけにはいかない。新書版で値段も手頃である。
 澁澤龍彦の書斎や宅内の様子は巡回展の展示で見たことがある。展示されていた本物の仕事机の周りは、書棚の写真で囲まれて在りし日の書斎を再現していた。そこには、本書に紹介されるオブジェもいくつか展示されていた。
 「澁澤龍彦をもとめて」季刊みづゑ編集部編(美術出版社)や「澁澤龍彦事典」コロナブックス(平凡社)は、澁澤龍彦へのオマージュとして、彼がモチーフとしたテーマで別の人がエッセイを寄せる形式であった。本書は本人のお気に入りの事物について、本人の著作からの抜粋で構成されているので、作りは逆である。主のいなくなったパイプやコレクションの鉱物、昆虫標本、貝殻、球体オブジェは何も語らないが、前述の二冊では彼を知る人が同じテーマで澁澤龍彦との関係を語ってくれている。四谷シモン、金子國義、加山又造については、既刊に澁澤追悼文が存在する。これで両者の想いが読めるわけだ。それらを交互に参照しつつ、澁澤龍彦の不在を新たにする。
 一番の読みどころは巻頭の龍子夫人のエッセイだと思う。そこで披露される「自分はオブジェだから」という澁澤龍彦の言葉に、物やそれにまつわる情緒よりも物のイメージを愛でた彼の精神が伺える。その言葉をスタートに「澁澤龍彦」というオブジェを求めてドラコニア・ワールドの楽しい周遊が始まる。
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