「不機嫌な職場」の著者だったことから期待して読んでみた。前作とかなり雰囲気が異なり、組織論ではなく、個人をベースに「気を張らない生き方」をするための具体的なアドバイスが充実していて良かった。気を張らないほうがむしろ周りから評価され、うまく楽しく働ける。よく考えれば当たり前のことだ。1章では、潰れる人予備軍として、現状に耐えている人、心が壊れた人、壊れたふりをしている人、あきらめた人、虚勢を張る人、勝手に行動する人、理性を失う人というパターンに分けて分析されている。でも、これってだれにも当てはまるのでは? ということは、だれもが潰れる危険があるということ。自分がいかに不自然に生きているかを客観視できる。後半の章では、潰れる生き方からの脱却方法が語られる。そのポイントは、感情力、つまり人の気持ちに共感する能力をつける方法論。確かに「自分はなんとか生き残らねば」というプレッシャーがあり、他人の気持ちまで考えられない現実がある。著者は、自分の気持ちと他者の気持ちを大切に扱って感じることが、生き方を転換する第一歩になると書いている。「しがみつかない生き方」が売れているが、しがみつかないと生きていかれない人も多い中で、本書のほうがラクに楽しく生きていかれそうな気がする。著者の真摯な人柄が伝わってくる。