登録情報
|
|
あなたの意見や感想を教えてください:
|
||||||||||||||||||||||
|
最も参考になったカスタマーレビュー
26 人中、25人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
ただ、美しい,
By toyoji (近畿) - レビューをすべて見る
レビュー対象商品: 潮騒 (新潮文庫) (文庫)
三島らしくない作品。「仮面の告白」のような、あまりにも病的、または深淵に臨むようなイメージの作品が多い中、同じ作者だとは思えない程美しい純愛が描かれています。10代のころは、ただの純愛物語としか捉えていなかったのですが、歳を重ねて読むたびに彼の繊細な描写に敬服させられる気持ちになるとともに、失われた美しい日本の情景が胸にしみてくるようで切ないです。 親子の愛情、初恋、成長などが織り交ぜられた戦後の時代のお話。心が清められるような一冊です。読後がすがすがしい。
23 人中、21人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0
最後の一節に注目,
By
レビュー対象商品: 潮騒 (新潮文庫) (文庫)
学生時代(30年前)に読んだときは、「三島もこんな純愛小説を書くのか」という感想しかありませんでした。しかし、今回一気に読んで最後の一節を読んだ時に三島由紀夫らしさを感じました。この小説を書いた目的は、最後の文章を書きたいがためのものと思います。 半世紀前に書いたとは思えない新鮮な気分と人間の一面を見せてくれます。
9 人中、8人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
作者を超えてしまった小説,
By
レビュー対象商品: 潮騒 (新潮文庫) (文庫)
三島由紀夫は本当に書きたい小説と商売用の一般小説を分けていたという。三島小説は結構読んだが、果たしてどっちがどっちか分からない。全ての小説が屈託深くて難しいと感じる。『音楽』なんかは一般向け小説なのだろうか。あれだって難しいように思うが。三島文学に関しては分かる人には分かるのだろうということは分かる。ロシアで『金閣寺』を読んだ囚人が監獄で切腹を図ったという。こういう人は分かり過ぎてしまった読者なのかもしれない。三島のロシア語翻訳者のグリゴーリイ・チハルチシビリ(ボリス・アクニンという小説家でもある)が、「三島由紀夫は『国民的作家』では決してない」と言っていたが、まさにまさに。『潮騒』は万人が楽しめる唯一の三島小説。万人に受け過ぎて作者を索漠たる気持ちにさせたらしく、後年三島は「冗談で書いた小説」と言ったというが、この言葉は韜晦だろう。「『知的で病的』なんてオレは絶対イヤだからな!」という当時における作者の真剣な叫びが聞こえるような、とても健全で美しい小説だ。特にヒーローが素敵。三島由紀夫は知的じゃない体育会系青年を描くのが本当に上手い。ヒーローに注がれる作者の愛溢れる視線がなんともかんとも。 ちなみに、この小説を指して「三島は『田舎』を分かっていない」という出版当時の批評の言葉をどこかで読んだが、別にいいじゃないの、と思う。これは「地方」にまつわるファンタジーであり、「海と太陽」にまつわるファンタジーでもある。「田舎」ったら常に『土』とか『楢山節考』してなきゃならないという訳でもなかろうし。 昔のフィギュアスケートは技術点と芸術点に分かれていたが、この小説を読むと、その両方のカテゴリーで次々と満点が並んでゆく様子を唖然と眺めるような気分になる。後はもうスタンディングオーベーションでもするしかないような。
あなたの意見や感想を教えてください: 自分のレビューを作成する
|
最近のカスタマーレビュー |
|
この商品のクチコミ一覧
クチコミを検索
|
関連するクチコミ一覧
|
|