18世紀末のフランス革命後の動乱期、暴徒と化した民衆にフランス人の継母と幼い妹を殺されたイギリスのダイソン公爵カムは、復讐を胸にアベイ虐殺時の裁判官を執拗なまでに追い詰めていきます。そして最後に生き残った男の孫娘ガブリエルをフランスから誘拐し、イギリスの海岸沿いの城に幽閉してしまいます。しかし、この誘拐を政敵に仄めかされて、自らの政治生命を守るために彼女と結婚するのですが。。。
ガブリエルは、祖父に9月虐殺から救出された後、祖父を狙う追っ手から逃れるため、少年の姿に身を隠し、逃亡生活で剣や銃の扱いを覚え、女性らしい教育を受ける機会を逸してしまった"じゃじゃ馬"ですが、生まれ持った優しさと素直さで公爵カムに影響を及ぼしていきます。
同じ虐殺事件に遭遇して生き残った二人が11年後、掛け替えのない存在になっていく過程をテンポ良く描いている点、満足度は高く、評価は4.7としたいです。
1792年のフランス「9月虐殺」事件を発端にして、英仏の歴史上実在した人物を個性的なキャラで登場させ、当時の政治の駆け引きを物語に盛り込んだ本作は、西欧史が好きな人にとっては面白いのでは?これぞヒストリカル、昔読んだS&Aゴロンの「アンジェリク」の描写を思い浮かべたのは私だけでしょうか。