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漱石文明論集 (岩波文庫)
 
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漱石文明論集 (岩波文庫) [文庫]

夏目 漱石 , 三好 行雄
5つ星のうち 5.0  レビューをすべて見る (8件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容(「BOOK」データベースより)

圧倒的に優位な西洋文明を相手に漱石は「自己本位」の立場を同時代のだれにもまして痛切に生きた。その苦闘の跡を示す『現代日本の開化』『私の個人主義』などの講演記録を中心に、かれの肉声ともいうべき日記・断片・書簡を抄録する。

登録情報

  • 文庫: 378ページ
  • 出版社: 岩波書店 (1986/10/16)
  • ISBN-10: 4003111109
  • ISBN-13: 978-4003111109
  • 発売日: 1986/10/16
  • 商品の寸法: 14.6 x 10.6 x 1.6 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 5.0  レビューをすべて見る (8件のカスタマーレビュー)
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 明治時代の大インテリ(政府から派遣されて留学したのはご存知の通り)である漱石が、「文明開化」に対する抵抗感などを語っている。漱石の生きた時代、次々に輸入されてくる文化によって、人々は否応なしに急激な変化の波に呑み込まれた。漱石は、これから先、この変化のスピードはどんどん早くなり、生きにくい世の中にますますなっていくだろうと語る。これを読み、今の時代の忙しなさは、明治時代と地続きであることを知った。
「私の個人主義」なども収録されている。
 主に、「漱石の講演」が収められているため、読みやすい。
このレビューは参考になりましたか?
9 人中、9人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
正直かなり驚いた。小説家として名を馳せなくとも、評論家又は知識人として名を残すことができたのではないかと思われるほど、漱石の文明評はキレている。明治期以来日本の文化や歩みを「西洋一辺倒だ」、またはそれへの対抗として「武士道だ」と単純に意見を昇華させる前に、下地として目を通すべき本といえる。

有名な「外発的」「内発的」という視点から見た「現代日本の開化」。開化に驕り高ぶらず、かといって逆に排他的になるわけでもないそのバランス感覚は、ただの現実主義というよりも、漱石が思索を重ねに重ね続けて導きだした賜物に違いない。他に「中身と形式」「文芸と道徳」「模倣と独立」に見られる論などは、文明開化という言葉につきまとう「内」と「外」というどこかモヤモヤしたものにすっきり一本の筋を通してくれている。そして「文芸委員は何をするか」での、政府に対しての確固たる提言は、小説家漱石の小説たるものを知る大きな見せ場である。

それにしても小説家の書く評論というのは、坂口安吾もそうだが、例え話や論の展開と比喩が豊かであり、文章的に実に惹かれるものがある。この本は明治を代表する「学問のすすめ」と共にもっと注目されてもよいのではないかと考えたしだいである。
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22 人中、20人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
小説より 2005/11/12
実は小説よりも好きかもしれない。
特に好きなのは明治三十四年三月二十一日の日記。

「未来は如何あるべきか。自ら得意になる勿れ。自ら棄る勿れ。黙々として牛の如くせよ。孜々として鶏の如くせよ。内を虚にして大呼する勿れ。真面目に考えよ。誠実に語れ。摯実に行へ。汝の現今に播く種はやがて汝の収むべき未来となって現はるべし。」

すごい。日記とは思えない。日記ってとても個人的なことを綴るものだから、これが漱石の素顔なんだと思う。作家として、人としての誠実さに感動する。

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