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5つ星のうち 4.0
おませな漱石,
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レビュー対象商品: 漱石全集〈第25巻〉別冊(上) (単行本)
全体的に、漱石の趣味が現れていた。まず、わざとらしいのは、趣味じゃなかった。芝居でも小説でも、泣いてくれと言わんばかりに仰々しいのは興醒めである。発展途上国では、ひたすら甘いだけのお菓子が売っていて、ちっとも美味しくないのと同じことである。文芸の発達途上の明治期にあっても、漱石はすでにそうだったのだから、やはり、ませていた。嘘くさくないこと、ありがちなこと、それを鑑賞者の現前に彷彿とさせるのが芸術であるならば、その意味で、漱石は印象派だった。自然主義とは客観主義の謂いではない。リアリティの問題である。 また、何でもかんでも知ったかぶりはしない。知らないことは、よく知らない、と素っ気なく断る。小説を書く動機とか、影響を受けた小説とか、一言にして答えられないような質問も、きっぱり断る。色気を出して、ああだこうだ駄弁を連ねることはしない。 『作中の人物』 『文学雑話』 『専門的傾向』 『文士の生活』 『文壇諸名家雅号の由来』 『書斎に対する希望』 『如何にタゴールを観る乎』 は、目を通して欲しい。
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