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漱石の死 (新・日本文壇史 第1巻)
 
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漱石の死 (新・日本文壇史 第1巻) [単行本]

川西 政明
5つ星のうち 3.3  レビューをすべて見る (6件のカスタマーレビュー)
価格: ¥ 2,940 通常配送無料 詳細
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商品の説明

内容紹介

大正5年、漱石は家族と芥川龍之介、菊池寛らの弟子に見送られて49歳の生涯を終えた。漱石の死は大正文学の始まりでもあった。漱石の娘・筆子を争った久米正雄と松岡譲、姦通罪で監獄に収容された北原白秋、谷崎潤一郎と佐藤春夫の細君譲渡事件等、大正文壇で繰りひろげられた事件を克明に描き、作家達の実像に迫る。

内容(「BOOK」データベースより)

大正五年十二月、文豪・夏目漱石は家族と芥川龍之介、菊池寛、久米正雄、松岡譲らの弟子に見送られて、四十八歳の生涯を終えた。漱石の死は大正文学の始まりでもあった。漱石の長女・筆子を争った久米と松岡、そして戦後の知られざる和解、芥川と女性達の恋の諸相、姦通罪で監獄に収容された北原白秋、「世紀のスキャンダル」といわれた谷崎潤一郎と佐藤春夫の細君譲渡事件など、大正文壇で繰りひろげられた事件を新たに発掘した資料を交えて克明に描きだし、作家達の素顔に迫る。

登録情報

  • 単行本: 272ページ
  • 出版社: 岩波書店 (2010/1/15)
  • 言語 日本語
  • ISBN-10: 4000283618
  • ISBN-13: 978-4000283618
  • 発売日: 2010/1/15
  • 商品の寸法: 19.2 x 12.8 x 2.8 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 3.3  レビューをすべて見る (6件のカスタマーレビュー)
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形式:単行本
伊藤整の『日本文壇史』も、典拠がしばしば分からなくなるなど欠陥はあるが、これがその名を継承するというのはその名を汚すものだ。特にひどいのが先行研究の無視である。それに間違いも多い。試みに久米正雄「破船」事件について記すと、
第二章 恋敵、久米正雄と松岡譲
・漱石が死んだ時、久米と芥川だけが呼ばれた
 →危篤になった時点で久米、芥川、松岡、菊池は駆け付けている。夏目家ではわざわざ呼んだりしていない。菊池は漱石には一度会っただけで師事していない。
・久米は母を郷里に置いていた
 →久米の母は兄哲夫が函館勤務だったのでこの時は函館。
・職業的な婦人以外に女性と口を利いたことがなかった久米や松岡
 →久米は中条百合子と恋愛関係にあった。
・炬燵の中で筆子が久米の手を握った
 →筆子は否定している(むろんそれを信じないのは川西の判断である)
・「手品師」で久米と山本有三が絶交
 →それ以前に木下八百子をめぐって軋轢があり絶縁していた。
・松岡が東大東洋哲学専修を卒業
 →単なる哲学科。「プラグマチズム」で何で東洋哲学か。
・「和霊」で久米は松岡の死を祈った。
 →どこをどう読めばそんなことが書けるのか。祈ろうかと思ったができなかったとちゃんと書いてあるではないか。
・土屋文明が松岡の一高時代の友人
 →それなら久米も友人であり、久米が郷里へ帰る時に宴を開いた際文明もいた。

一章だけでこれだけアラが出る。全体に典拠不詳。おおまかにはともかく、細かいところは信用しないほうがよい。というか、読んではいけない本である。岩波、人選を誤ったり。
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形式:単行本
日本文壇史とあるが、著名作家たちの息遣いまで
再現した労作である。息遣いの大半は、女性関係など

スキャンダラスな側面で、「表の」文壇史では扱い得ない
ような微に入り細にいった内容で貴重なものである。

特定の作家に対するイメージをいい意味でも、悪い意味でも
鮮明にさせてくれる効能がある半面、人間の嫌な面を
えぐだしているだけに、爽快感は少ない。
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1 人中、1人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By 山科のうし トップ1000レビュアー
形式:単行本
 「漱石の死」から初めて、明治以降の日本の作家群像を描いた浩瀚なシリーズの第1巻。全10巻のこのシリーズ、渉猟する資料だけでも膨大なものになるはずで、ひとりでこなすというのは、大変な力業だろう。
 周知のように、だいぶ前に「作者の死」が宣言され、批評、文学研究の焦点は、作家から作品、さらには読者の反応という方向へ、そのまた先は文化研究など、コンテクスト面へと大きくシフトしてきた。
 とはいえ、気にいった小説があればその生みの親である作家に興味がわくのも人情である。講演会やらサイン会で、身近に作家の肉声を聞いたり顔を拝んだり握手したりしてみたい。それは表の顔だろうが、さらには秘められた内面に触れたいと思うかもしれない。作品に現れた「作家の顔」とは別のレベルで、実在の人間のレベルで作家を知りたいと思ったとしても何ら不思議はない。
 本書はそうした欲求を満たすものかもしれない。著者は一方で、作家の(かなり劇的な)人生がその文学にどう関わったかという点にも相当力を込めて書いているのだが、しかしやはり根底にあるのは、生々しい人間の裸の姿への興味とみえる。それは生々しい物語が「人間」を喝破して興味深いように興味深くもあるのだが、同時にその赤裸々さのゆえに辛くもある。
 何しろ文壇史と銘打っていても、この1巻で取り上げられるのはもっぱら、恋愛、性愛、情痴、姦通の類である。たとえば有名な谷崎潤一郎と佐藤春夫の間の「細君譲渡事件」、あるいは北原白秋の姦通を微細に描くのだ。基本は週刊誌ネタとあまり変わらない。そうした興味は誰でもあるのかもしれないが、好みはけっこう分かれそうだ。とにかくドロドロである。愛と憎しみ、狂気やら死やら、凄まじい。著者は『文士の姦通』(集英社新書)も書いており、もともとそうした分野が得意なのかもしれない。
 ここで描かれた諸々の出来事、ひいては作家たちの心理や人間像についての解釈も、当然のように示されている。だがそれは、小説の解釈が一つに決まらないように、絶対的なものではありえない。あるいはその秘密に迫りたいなら、やはりまた作品に戻ることになるのではないか、とも思う。ただ、「事実は小説より奇なり」とか「世界は劇場」といった言葉が連想されるのもたしかだ。
 文章としては、引用と本分の区別がしばしば曖昧なのが少し読みにくいと思った。
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