コマ割り、というより、コマの展開の仕方を、映画の動的カット(カメラの方を操作する)から分析したもので、基本的ながら、よく整理されています。この理論が重要なのは、マンガは描かれているものの連続性よりも、読んでいる読者の意識の連続性を画面に取り込んでいる、ということが提示されているからです。実際にマンガにおいて用いられているコマの展開の大半は、対象の動作を追うもの以外は、このような視点側の動きで説明できると思われます。
惜しいのは、例として掲載されているものが、3、4コマしかない見せ絵のページばかりで、肝心な、コマの展開の説明になっていない、ということです。そもそも、絵が同人誌水準で、下手なものが多いです。そのうえ、作品鑑賞などと称して、カラー作品と白黒作品が各16頁も付いていて、そのコマ割りを詳細に解説しているのですが、マンガとしては、話にならないくらいつまらないもので、こんな出来の悪いのを細々と分析しても、まったくのページのムダです。昔、石森がやった龍神沼の自作分析の方がずっとましです。