以前、千原Jrさんの14歳を読んで、華やかに見える芸人という顔を持つまでに至る痛々しいまでの葛藤に強く感動させていただきました。
そういった経緯もあり本作には品川さんの芸人としての思考、半生が描かれているであるという期待を持って読ませていただきました。
率直な感想としては、お笑い芸人さんが書いたお笑い芸人の物語ゆえに
冒頭で述べさせていただいた その特殊性の高い現場のリアルな描写とそこで生まれる葛藤との対峙を期待していたのですが、
描かれている世界は、ドラマ性を意識しているといえば聞こえはいいですが、私的にはそれが過度に美化されている印象を受けました。
要所要所でインパクトのあるシーンはあるんですが、セリフや登場人物の心理描写での表現に依存しすぎているような感じがして、
作品から発せられるメッセージが強すぎるため、押し付けがましい感じがあり そのせいか全体的に安易で幼稚な印象を受けました。
そうなってくると、物語に登場する人物よりも品川さんのナルシスト的な思想が前面に感じられてしまい
特別に好意的な印象をもっていない私からすると主体的な感情移入がしにくかったです。
お笑い芸人であるがゆえに、漫才が好きであるがゆえに、主張の色が濃くなってしまうのはしょうがないとして、
それを差し引いても自己満足的な色が強すぎて読んでいる側に時として苦痛を感じさせる作品でした。