本作は非常にテンポがいい。
まだ恋愛系のシーンはぎこちないものの、セリフの乱れ撃ちの如く進んでいくストーリーは良い。
品川監督も相当の映画好きだが、スタジオ上がりではない代わりに、映画本編そのものから
学んだエッセンスが生きているのだろう。
佐藤隆太演じる飛夫と石原さとみ演じる由美子が再会し、飛夫の部屋で一緒に過ごすシーンで、
最初はふたりの距離が離れている。画面の端と端に配置させているのだ。
それから誤解を解きあい、再び愛を確かめ合う重要なシーンで距離が縮まるのだが、直前にあの「間」を置くとは・・・
佐藤祐市監督も協力しているようだから、テクニックは教わったのかも知れないが、あのショットはお見事。
吉本系の芸人も大挙出演しているが、ふだんはおちゃらけの芸人たちがとてもカッコいい。
また、職業俳優たちもこれに刺激されて、よりイキイキした芝居を見せているので、
結果テンポがよい、キレのある作品になったのだろう。
上地雄輔、新井浩文の相対する役柄も、これまたふたりとも抜群に良かった。
俳優や喜劇人が監督をすると、何かしらバッシングを浴びることが多いが、品川組の2作には
それが感じられない。
「なかなか面白いし、やるじゃないか」と活動ファンが素直に思えるレベルに仕上がっているからだろう。
特典ディスクはメイキングや舞台挨拶など盛りだくさんだが、こちらの内容はふだんの
バラエティに近いノリであり、思い切り笑わせてくれる。
吉本の海に放り込まれた形の石原さとみが、何となく狼狽している姿が可愛くもおかしい。
品川組は早く次の作品が観たくなる。
これは貴重なことであり、より精度の高いシャシンが観られることを期待したい。
本作については4つ星です。