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漢文と東アジア――訓読の文化圏 (岩波新書)
 
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漢文と東アジア――訓読の文化圏 (岩波新書) [新書]

金 文京
5つ星のうち 3.7  レビューをすべて見る (6件のカスタマーレビュー)
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漢文と東アジア――訓読の文化圏 (岩波新書) + 訓読みのはなし 漢字文化圏の中の日本語 (光文社新書 352)
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商品の説明

内容紹介

漢文の訓読は従来日本独自のものと思われてきたが、近年、朝鮮、ウイグル、契丹など中国周辺の民族の言語や中国語自体の中にも同様の現象があったことが明らかになってきた。仏教の漢訳の過程にヒントを得て生まれた訓読の歴史を知ることが東アジアの文化理解に必要であることを述べ、漢文文化圏という概念を提唱する。

内容(「BOOK」データベースより)

漢文の訓読は従来、日本独自のものと思われてきたが、近年、朝鮮、ウイグル、契丹など中国周辺の民族の言語や中国語自体の中にも同様の現象があったことが明らかになってきた。仏典の漢訳の過程にヒントを得て生まれた訓読の歴史を知ることが東アジアの文化理解に必要であることを述べ、漢文文化圏という概念を提唱する。

登録情報

  • 新書: 224ページ
  • 出版社: 岩波書店 (2010/8/21)
  • ISBN-10: 4004312620
  • ISBN-13: 978-4004312628
  • 発売日: 2010/8/21
  • 商品の寸法: 17.2 x 10.6 x 1.2 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 3.7  レビューをすべて見る (6件のカスタマーレビュー)
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By ビブリオン トップ1000レビュアー VINE™ メンバー
中世ヨーロッパでは、共通語はラテン語でした。同じように、東アジアでは、漢文が共通の書き言葉だったそうです。日本と朝鮮の通信使とは、互いに漢文を書いて相手と筆談し、意思を疎通しあった。またヴェトナムと朝鮮の外交使は、北京で会う際に、互いに漢詩を贈っていたそうです。中国の周辺国は、自国の言語は維持。漢文は正式の書き言葉や漢詩の作成用に輸入。進んだ文化が書かれている漢文は、中国語として読まずに、各国語毎に、自国語に引き寄せて読解する読み方があったようです。日本では、漢文に訓点を付けて、日本語の語順に直し、日本語の助詞を補い、日本語通りに読み下す読み方が、行なわれました。

本書は、日本で独自に作られたと思われてきたその訓読、訓点を、一国史観から解き放ち、東アジアの中で、漢字を使っていた中国の周りの国々(新羅、ヴェトナム、契丹、ウイグル、現代中国など)を調査。訓読は日本独自ではなく、それ以前に朝鮮半島の新羅に見出される。更に、訓点の大本は、中国が、梵語の仏教書を翻訳する際には、訓読みと同じような訳し方をしている点にあると考えられる。日本の訓読みの先行者として、新羅、中国があると、著者は、指摘しています。

日本で行なわれていた、博士家毎に違うような様々な訓読み法を丁寧に解説。他の言語での訓読みの具体的な付け方も、判りやすく述べられています。また訓読みの具体的な読み方にとどまらずに、その文化的な背景、影響なども述べられていて、訓読みから広い文化的な視野が広がっています。訓読みの東南アジアでの広がりを確認できます。また漢字の受容の仕方が、各国毎に異なっていたことが改めて良く判ります。強い高度の文化外圧をどう受容するか。その仕方で受容する側の文化の特質が分かってきそうな点に、興味が湧きました。
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1 人中、1人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By Gori トップ500レビュアー VINE™ メンバー
漢字は日本で最も発展した。
詳細な記述は別にして、本書の論旨は次のパラグラフにまとめられている。
()内は、私の補足および意見である。
「中国、日本、韓国、ヴェトナム、北朝鮮が、歴史的に漢字を使用してきた
 漢字文化圏であるが、(これらの国々の)漢字の使われ方は、極めて複雑である。
 まず、ヴェトナムと北朝鮮は漢字を全廃、韓国もほとんど使わなくなり、 
 ヴェトナムでは「クオック・グーというアルファベット」(これがまた「国語」
 の音読みというのだがら複雑だ)を使い、韓国と北朝鮮ではハングルが用いられる」
「今でも感じを用いているのは中国と日本であるが(タイ、シンガポール、マレーシアなどではそれなりに通じる)
 日本が独自の略字と仮名の併用、中国大陸がこれまた独自の簡体字を使うのに対し、
 台湾では正字である繁体字を用いる(使用漢字に関しては台湾のあり方に賛成である)
「漢字の読み方は、古代中国の発音に由来するものの、それぞれ独自の変化を遂げた現代中国漢字音、
 ヴェトナム漢字音、朝鮮・韓国漢字音、日本漢字音とばらばらで、日本にはさらに訓読みまでもある」

ということだが、漢字使用圏のアジアの他の国でもそれぞれの訓読みがじつはあるのである。
そのへんが読むのが楽しい本。
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14 人中、9人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By ishilinguist トップ500レビュアー
 中国文明は高度な文明を花開かせ、周囲の民族はその影響を強く受け、大いにあこがれの気持ちを抱いた。しかし中国語と周囲の日本・朝鮮・アルタイ諸語は音韻や文法が非常に異なり、そこに文化間のせめぎあいが生じた。
 結果として、普遍的な中国文明と個別民族文化のダイナミックスにもとづく漢文文化圏が成立した。本書はその文化圏の様相について、身近な事例から説き起こす。テーマとしては必ずしも目新しいものではないが、「訓読」を中心に据え、中国語内の歴史的変化、また日本・朝鮮・ウイグル等の民族間のインタラクション、近代の日本から中国の方向も論じられている。
 情報化や中国の強大化なども鑑みると、今後どんな変化が見られるのか、色々と想像してみるのも楽しいことである。
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