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漢字が日本語をほろぼす (角川SSC新書)
 
 

漢字が日本語をほろぼす (角川SSC新書) [新書]

田中 克彦
5つ星のうち 3.3  レビューをすべて見る (18件のカスタマーレビュー)
価格: ¥ 882 通常配送無料 詳細
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商品の説明

内容紹介

漢字はことばではない、文字である。多くの文化人はそのことにふれずして、日本語論を語る。その結果、「訓読みは日本人の発明だ!」などという論調が蔓延してしまっているが、そんな日本と日本人の漢字礼讃傾向に、著者は真っ向から反論する書である。
日本人には「ひらがな」というすばらしい発明品があるにもかかわらず、明治の開国期に多くの書生たちが西洋のことばを漢文で翻訳して輸入したため、せっかく江戸時代までに庶民によって培われてきたカナとかなを使った日本語の文章が、漢字ばかりの文章になってしまったのだ。
そして、世界中見回しても、漢字にしがみついているのは日本だけという事実を知るべきである。ヴェトナムも韓国も漢字を捨て、中国までも簡易体(略した漢字)を書くことが一般的なのだ。
日本語が21世紀のグローバル時代を生き抜くために、いまこそ漢字地獄から脱出して、漢字から日本語を解放しよう!!

内容(「BOOK」データベースより)

漢字があるから、日本語はすばらしい。そう考える日本人は多いだろう。しかし漢字が、日本語を閉じた言語(外国人にとって学びにくい言語)にしているという事実を、私たちはもっと自覚しなければいけない。日本語には、ひらがな、カタカナ、そしてローマ字という表記方法があるのだから、グローバル時代の21世紀は、もっと漢字を減らし、外国人にとって学びやすい、開かれた言語に変わるべきなのだ。いまこそ、日本語を革命するときである。最初で最後の日本語論。

登録情報

  • 新書: 271ページ
  • 出版社: 角川マーケティング(角川グループパブリッシング) (2011/5/10)
  • 言語 日本語
  • ISBN-10: 4047315494
  • ISBN-13: 978-4047315495
  • 発売日: 2011/5/10
  • 商品の寸法: 17.2 x 10.8 x 1 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 3.3  レビューをすべて見る (18件のカスタマーレビュー)
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21 人中、19人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By チャックモール トップ500レビュアー
日本語論というものは、誰もが強い思い入れがあるために、下手をするとなんの根拠もない言いっ放しの本になってしまいがちです。
ということで、その悪い面が出ているように思えてならないのが、本書です。

読ませるところもあります。
明治の文豪たちがいかに日本語と格闘してきたかなどは、知らなかったことも多く、共感できる考え方も多かったです。
もとより無節操な漢字の氾濫については、私もあまり快く思っていないからこそ、本書を買ったわけですから・・・。

ですが、「では漢字の何が悪いのか」を語ろうとすると、とたんに首をひねりたくなるような記述が増えてきます。

たとえば漢字を使わないことで発展したというトルコについての記述。
漢字を使わなかったからこそトルコが独自の文化を保ちえたと言いつつ、中央アジアのトルコ系民族に対してトルコ人がトルコ語を広めようとしていることを賞賛するような記述があるのですが、それが別の形での少数言語排除だということにはまったく思い至らないのでしょうか。

また、漢字から脱却した民族こそ栄えるとして、韓国を始め満洲、西夏、契丹などを挙げているが、韓国はともかく、その他の民族がたとえば日本より民族的に栄えていると、どのような視点から言い切れるのでしょうか。

そもそも、「漢字なんて使わなくても日本語で十二分に表現できる」「なのに漢字を使おうなどというのはエセ知識人」というようなことを書いているのに、自らもしょっちゅうドイツ語を文章内に挟み込もうとするのだから、漢字かぶれの人のこと、言えるんでしょうか?

と、とにかく突っ込みどころだらけの本でした。

実は私は著者の本を何冊も読んでいるのですが、この本はちょっと・・・。
このレビューは参考になりましたか?
47 人中、37人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
田中先生の博学と見識の広さには感服する。しかしベースとなっている知識や概念が、ひとむかし前のものに感じられる。日本語の漢字の用法が一定の年齢を過ぎた日本語以外の言語を母語とする初学者には大きな障害であることや、視覚を失った人たちにとっての情報としては適さないことについては、否定はしない。ただ、どうも読んでいて違和感がある。
その理由のひとつとして、先生がパソコン社会になじんでいない、というのがあるのではないだろうか? いまだに手書きで、パソコン入力は代筆らしいし。ネットサーフィンなども助手の方々の力をかりたりはしているのだろうけど、だらだらと見回ったりはしないのだろう。
パソコン、そしてインターネット、携帯メールの普及などは、日本語のあり方をかなり変えた。手書きできない漢字が増えた反面、アナログ時代は見かけないような漢字を見かけるようになった。書けない漢字は増えたが、読める漢字というか知っている漢字は増えたのではないだろうか? また、他人の文などから、アナログ時代は知らなかった訓読みの用法を知ったり、良い意味でも悪い意味でも漢字の使用範囲は変貌したように思われる。そのあたりを語っていないのも物足りないところだ。
他の国の言語事情・文字事情にもついても同じことがいえる。英語の略語や単語をモロに取り込んだりするのは、別に日本語だけに見られることではない。また、韓国のハングル化を単純に「脱漢字」と結びつけるが、これはハングルがナショナリズムと強く結びついていることもあると思う。韓国のマスコミでは「世界の人たちが独自の文字を持たずアルファベットを借りて使っている不便を思うと、われわれがどれだけ恵まれているか、わかる」などと、漢字同様、ローマン・アルファベットについても小馬鹿にしている言説もある。そういう韓国も、最近ではつとにハングル文に英語のモロ入れをすることが目立つようだ。中国の広告雑誌なども、簡体字の中にモロに英語のスペルとかをまじえていることも多い。
ウズベキスタンでは、キリル文字からラテン文字への切り替えが行われているようだが、スムーズにいっていない。そのあたりには触れようとしない。知らないのか? 知っているけど書かないのか?
どうも知っているのに書かないようだ。なぜなら先生は「中国の少数民族教育と言語政策」(岡本雅享・著)の監修もなさっているからだ。この本には、文字と言語の関係がいかに複雑であるかがとくとくと語られている。いったんローマ字化し、断念した言語もあることが語られている。
日本語の未来を語りたいのなら、現代のパソコン事情にからんだ話を十分に入れていかないと未来につながらない。また、日本以外の国々の文字事情もネット時代になってかなり変貌した。そのあたりを大いに語っていかないと、未来を語る話になんかならない。私と同じような物足りなさを感じる読者も少なくないと思う。
とりあえず、古いタイプの学者の「漢字使用の無分別な拡大への警告」とぐらいにとらえておけばよい。
このレビューは参考になりましたか?
121 人中、90人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
ヘーゲルは大著「エンチクロペディー」第三部「精神哲学」の中で言語学について触れ、表音言語の表意言語に対する優位性を強調し、「理性的思考の可能なのは表音言語話者のみである」と述べている。つまりヘーゲルは漢字を見て「これは象形文字だ」と思い込み、「こんな象形文字を使っている人種に理性的思考が出来る訳がない」と考えたのである。要は発音を表したラテン語系の言語が、漢字を使ったアジアの言語より優れている、という途方もない誤解と偏見に満ちた思想であり容認できない考えであるが、この本の田中の主張も根底にあるのはヘーゲル同様、誤った側面が多く是認出来ないものである。
言葉とは人間に固有の、コミュニケーション伝達のための最大の手段であり能力として普遍的なものであるが、元来それは声帯を用いた「音」を用いたものであり、文字として視覚表現として用いられるようになったのは最近のことである。人類の歴史が何万年、に及ぶかは研究により判断は分かれるが、文字として記録に残るのは最近の僅か数千年のことに過ぎない。言語とは文字と不即理なものではなく、「文字のなかった」時代の方が圧倒的に長かった、のは自明のことだと思えるが、徒に言語の存在理由を文字とこじつけるから、ヘーゲルのようなあやまった解釈に及ぶのである。まして言語を文字化しそれを書きとめる、のは高度な知的作業であり、古来からそれを行えるのは限られた存在であった。日本で考えても、一般大衆が読み書きを行えるようになったのは江戸時代以降数百年のことであり、、まして庶民が漢字の読み書きを可能になったのはごく最近になっての話である。それをあたかも、「漢字が無くなれば日本語が滅びる」と、言わんばかりの風潮が幅を利かす現状に一石を投じたい、のがこの刺激的な書名に表れている、のは理解できるのだ、が。
「最近の若者は漢字を知らない」年配の人間が憤るのは良く耳にするが、逆に言えば「漢字を知らなくても困らない」ことの裏返しである、ことを意味しているのではないか、それならいっそ漢字なんかなくしてしまえば、というのが田中の主張である。アジア人たる日本人のアイデンティティーを「漢字文化」の中に求めよう、という発想は良く見られるが、中国で発生した漢字を後生大事に守っているのは日本と台湾だけであり、同様漢字を用いていた朝鮮もベトナムも漢字依存を脱却し自前の文字で言語を表しているのだから日本だって漢字に固執する謂れはない、のは確かにその通りである。日本が文字に漢字を用いるようになったのはその地理的事情が大きく、場合によってはローマ字やキール文字を使っていてもおかしくはなかった、のは事実であり、スワヒリ語だって当初はアラビア文字を使っていたのを現在の文字に改めたのは、「アラビア文字を使う必然性が、スワヒリ語になかった」からであるのは間違いない。ただし15世紀には開発されていたハングル文字がなかなか普及せず漢字を使い続けていた朝鮮人が、漢字を放逐しハングルのみを使うようになったのは日本の植民地化以降の話であり、日本の植民地支配の反動から、の事実を忘れてはならない。決して漢字が不便だからハングルに変えたのではないこと、またベトナムが漢字を使わなくなったのもフランス植民地化以降の話であること、田中は意図的に混同している。
日本にも「国語英語化論者」「日本語ローマ字表記主義者」は数多く存在した。「その方が便利だから」「国際化に向けて都合がいいから」という理由はよく聞くが、言語とは便利で簡便化・簡素化はできないものであり、そんなに便利が良いのならエスペラント語が現在でも百万人程度の利用者しか存在しないのは何故か。田中も「外国人が日本語を習得するのを阻んでいる元凶」として漢字を挙げているが、実は外国人が日本語を学ぶ時戸惑うのはカタカナや敬語の方であること、私は外国の知人から聞いている。大体「言葉とは本来オトである」と強調しておきながら漢字の意味の曖昧さを槍玉に挙げるのはおかしな趣旨のすり替えで、「学者や文筆家が面妖な漢字を擁護する」のが問題だ、田中は繰り返し非難しているが、これは日本だけの問題ではなく、欧米の専門書(哲学書や医学書)を読めば無造作に無秩序にラテン語が引用されているのに辟易した記憶はおありだろう。「ガクを誇示せんがために大衆にわかりにくい言葉を並びたてる」学者・専門家は世界共通なのである。言語を文字化して記録する、のは本来限られた知識人、が行っていた行為であり、それを一般大衆が「日常会話を文字で記載する」行為との混同が「文字の簡略化」と混同された結果のすり替えである。あたかもヘーゲルが、「文字こそ言語である」と錯覚したような誤りが、そこには満ちている。そんなに表音言語話者の思考が優れているのなら、中国ではヨーロッパよりも数千年も前に、はるかに優れた文明が存在していたことをヘーゲルや田中は何と説明するのか。
田中は言語学者の割に言うことが学術的でなく、言語学を学んだ人間なら首を傾げる表現が多い。現在では殆んど存在が認められていないウラル-アルタイ語族について長々と語ったり(ウラル−アルタイ語族の共通項は文法構造だけであり、音韻的共通項は確認されていない)、またやたらと感情論に走り、「韓国が経済発展を遂げたのは漢字を追放してハングルに統一したからだ(ではベトナムが経済発展を遂げていないのは何故なのだ)」とか、「意味の曖昧な四文字熟語の濫作が太平洋戦争を招いた(「鬼畜米英」や「一億玉砕」は確かにナンセンスだが、そんな言葉が国民を戦争に駆り立てた、訳ではない)」だのといった、理性的でない表現が目立つのも困りものである。問題は漢字の数さえ知っていればもの知りである・漢字を沢山読み書き出来れば日本語ができる、という誤りを正すことが先決なのである。
別に漢字がなくなっても日本語はなくならないし、別段困りはしない。「漢字が日本語を滅ぼす」のではなく、「日本語が不要な漢字を滅ぼすのだ」要は田中が言いたいのはそういうことである。ではそのためにはどうしたら良いのか、漢字を止めてすべて仮名で表記すればいいのか、ローマ字で書き改めればいいのか、ハングルみたいに新しい文字を開発すべきなのか、肝心のその部分何も触れていない点ナンセンス極まりない書物である。ただ常用漢字・当用漢字の改定でやたらと使いもしない漢字を増やしたがる関係者・国語の教育と称して下らぬ漢字の書き取りや筆順のチェック、といった無駄なことに時間を費やしたがる教育関係者に一石を投じる、ものではある。言語学に興味のある初心者にはモンゴル語やフィンランド語に関する話は面白いかも知れないが、言語学を少しでも学んだ人間には?な表現が多くお勧め出来ない。田中は自己の主張通り、この本では漢字が少なくつとめてひらがなで表記しようとした努力の跡が見られるが、私がこのレビューを田中の主張通り全部かなで書いたら人は褒めてくれるか。「こいつは馬鹿か」と、言われるのがオチ、だろ。
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