場の量子論の教科書ですが、場の量子論の基礎的かつ重要な概念を演習形式で学んでいく、という斬新な構成になっています。
場の量子論の本は分厚いのが普通で、読みこなすのがとても大変ですが、この本は200ぺージちょっととコンパクトで非常に取り組みやすいです。他書を読んで辟易された方には、知識の整理を含めて読むことをおススメします。
また、場の量子論を初めて学ぶ際のテキストとして採用してもよいと思いますが、その際はもう一冊場の量子論の本(例えば坂井著 場の量子論)を用意するのがいいでしょう。というのは、柏先生のこの本は先ほども書いたように演習形式で論が進むため、「なんでこんな長ったらしい計算をするのか?計算して出した結果がどのように使われるのか?」ということの解説が若干手薄になっており、初学者の方の場の量子論を学ぼうというモチベーションを下げることになりかねないからです。
しかし、難解な場の量子論を基礎的な部分から一歩一歩丁寧に解説してくれているという点で、この本は良書といえるでしょう。
ちなみに、この本を読むには量子力学と特殊相対論の知識は必要ですが、相対論的量子力学の知識は必要ありません。