いや、読んだ、読んだ、読んだ。メタメタになりながら、ハラハラしながら、グシャグシャに号泣しながら(もう、どんだけ泣かせるんだ!)、そして時おり笑いながら(実はこの作品、あちこちに笑いどころが用意してある)、テレビもPCも何もかもOFFにして、読みきった。
以前、文庫でも読んだが、サイズが違うと迫力がまったく違って、今回はまさに“読む”というより“体感する”、そんな感じであった。
名シーン、名セリフだらけだが、ひとつだけ挙げるなら、大友くんと咲っぺの叙情的なシーンが、ものすごく好きだ。
イヤな奴には違いないが、関谷という男の魅力(…というとちょっと違うか)、濃さ、味わい深さにも気づくことができた。もしもアニメ化されることがあるなら、声はやっぱり若本御大だろうか。
しかし、巻末に載っている半田健人氏―『漂流教室』を読んだことがきっかけで、高層ビルマニアになったという―の解説にもあるが、連載開始が『日本沈没』や『ノストラダムスの大予言』の刊行により“終末ブーム”が起こった1973年よりも早い72年だった、ということに驚かされる。楳図先生の鋭いアンテナは、ただ“昭和バブル”に浮かれることをよしとしなかったのだ。
なお1巻は赤、2巻は緑、そしてこの3巻はブルーにカバー等の色が統一されているが、web上では3巻のみ、カバーの色合いがうまく出ていないように思える。個人的にこのカバーのブルーはとても美しく、この作品を締めくくるにふさわしいと感じており、ぜひ一度、実物を手にとってご確認いただきたいと思う。
ちなみに、少年サンデーコミックス版・最終11巻の巻末には、『漂流教室』本編を読み通した感慨も何もかも吹き飛ばし、神経をズタズタにする傑作短編『
ねがい』が収録されていた。