登録情報
|
凍りついた。知っていると思いこんでいたのは、ほんの表層の
部分だけだったようだ。
子どもの頃に読まないでよかった。怖くなって、しばらくは夜に
眠れなくなっていたに違いない。
基本的にはパニック漫画というか、特殊な状況下に置かれた
人間の集団を描いた作品。他のものと異なった点を挙げると
すれば、登場人物のほとんどが“子ども”だけになってしまう
ことだろう。(一部例外を除く)
個人の妄想が具現化して死人が出るなど、多少ストーリー展開に
強引なところも見受けられるが、極限状況の人間の“狂気”という、
本質的で厳然たるリアリティの上に物語の基盤があるので、
多少の強引さも気にならなくなってしまう。
いや、むしろ受け入れてしまうのが不思議だ。
何より、人間の“死”を変に美化して、安い感動作に仕立てていない
ところがいい。
宮崎駿監督の“天空の城ラピュタ”に、
「見ろ、人がゴミのようだ」というセリフが出てくるが、
この作品では、本当にゴミのように死んでいってしまう。
さらに、作者の楳図氏の得意とする、恐怖漫画のあらゆる
エッセンスも随所にちりばめられ、恐ろしく、そして
考えさせられる作品に仕上がっている。
まだ読んだことのない人は、一度すべてを通して
読んでおくべきだと思う。絶対に損はない。
ラスト近くの展開が急すぎるような気もするが、“破壊と再生”を
思わせる終わり方には、最後の最後で救われたような気がした。
それにしても、変な社会性が仕込まれていない分、タガが外れて
しまえば子どもの方が怖いのかもしれないなぁ。
|
この商品のクチコミ一覧
クチコミを検索
|
関連するクチコミ一覧
|
|
|
|