フラッシュバックに傷めつけられながら、辛うじて本書を読み通した。
ベーシック・インカム等先進的な議論が為されていると感じる一方、論点に今ひとつ不明確さを感じる。
本書のあとがきにあるように、筆者が「手遅れ」と名指しされた「グレーゾーン」の人たちを何とかしようと考えたのであれば、本書のタイトルは、漂流する発達障害の「若者」たち、では似合わない。若いうちに適切な診断を受けられなかった方に更なる絶望感を与えることになるからだ。根本的には、筆者よりもっと高齢になってから支援機関の門戸をたたくようになった方の障壁等の事例が必要になると思う。
また、本書P153に「私が他の発達障害者たちの代弁者になるなど、傲慢以外の何ものでもありません」とあるが、そもそも比較的早期に診断され発達障害者として恵まれた立場にいた筆者は、自分を含めた発達障害者たちの代弁を使命と考え本書を執筆・出版したのではないか。
尚、窓口対応者の質を高めることを図りたいのであれば、FAQ等で新入社員が早期に対応できるスキルを身に付けられるように、もっと客観的な数値データに基づく説明を増やすことが必要だろう。