まず、言葉の選び方が凄い。
ここでは詳述しないが、「ぼうっと」「ひょうっと」の「っ」を抜いただけで、ここまで世界の広がり方が違うとは。まさしく「目から鱗」だ。
第二に、どちらかと言うと幼稚っぽくなるからタブーに近いとされている、「オノマトペ」の使い方。こんな風に使えば、タブーでもなんでもない。むしろ効果絶大。誰がこの場面で「さやさや」って発想出来る?
第三に、このエロ満載のストーリーを、品位をもって、哀しく描くことのできる表現力。読後にはエロ感覚よりも、無常感のほうが強く残る。
私的川上さんランキングではベスト3に確実に入る作品集です。ある程度歳を重ねて、愛の哀しみは分かるけど、愛を諦め切れない。そんな人ならきっと気に入ってくれるはず。