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突然の死、性の目覚め、大人の不在……。
思春期の少女たちが出会う「リアルな息苦しさ」。
アメリカ文学界の新星が贈る
眩暈がするほど痛々しく、切ない9つのストーリイ。
『イザベル・フィッシュ』
事故でひとり生き残った少女と、同じ事故で恋人を亡くした兄。新たに兄妹の間に生じた「罪と罰」の関係とは
『巡礼者たち』
大人たちが不在のなかで起きた、子供たちだけの怖ろしい事故
『母親の恋人』
病をおして昔の恋人に会いに行った母親。そして男の本心を知ってしまった娘。ディズニーランドを舞台に描く残酷な結末
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5つ星のうち 4.0
この作者、買いですよ。,
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レビュー対象商品: 溺れる人魚たち (単行本)
彼女の描く世界はリアルな日常に潜む『痛さ』を切実に訴えかけてくる。本書には9編の短編がおさめられているが、そのすべてが少女を主人公に据えている。彼女たちはみんな作者オリンジャーの分身だ。読めばわかるが、それぞれの短編すべてに共通するキーワードがあるのだ。それらがみんな作者の経験や体験から反映されているのだと推測するのにさして時間はかからない。ユダヤ人として疎外感に満ちた幼少期をおくり、宗教という大きな壁に何度も頭をぶつけてしまう少女たち。自分と他者との距離が大きく隔たれていることへの困惑。日常の中に潜む小さな悪意。9編中特に印象深いのは「イザベル・フィッシュ」。兄の恋人とドライブ中に事故に遭い、自分だけが助かってしまった少女。恋人を失ってしまった兄は、妹のことを決して許さない。兄と妹の確執。執拗な糾弾。この話は、とても痛かった。心がギュウっと押し潰された。ラストで少し救われるが、なんとも息苦しい作品だった。「母の恋人」も、とても痛い。ガンに侵された母が昔の恋人と会う。お互いの家族同士でディズニーランドに行くことになったのだ。母の姿を見つめる娘。病魔をおしてかつての恋人に会おうとする母の必死な思いに反して、娘が目撃することになったあまりにも痛々しい結末。なんともやりきれない。でも、これが人生の真実なのだろう。その他の作品も多かれ少なかれそういった厳しい現実にさらされる少女たちが主人公となっている。それでいて不思議と重苦しい雰囲気にならないのは、作者の幕の引き方がゆるやかだからだ。この作者、買いである。
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5つ星のうち 5.0
繊細に描かれた少女の成長,
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レビュー対象商品: 溺れる人魚たち (単行本)
1973年生まれと、まだ若い作者の書いた短編集。ほとんどの物語はアメリカが舞台で、デリケートで知的な若い女性、もしくは少女が現実と向き合うときの不安を鋭く活写している。 作者の個人的体験が反映されているせいもあるだろうが、歓迎すべからざる状況のもとでの 内面の葛藤の描写が、息苦しさを覚えるくらい巧みだ。 最初の『イザベル・フィッシュ』に描かれた、水中でもがく主人公の姿が全編を象徴しているように思える。 個人的には『巡礼者たち』の超現実的とも言えるひそやかな恐怖感、 子供たちの残酷ないたずらを淡々と描いた『十字架』、 ディズニーランドを舞台にした苦い物語『母親の恋人』などが特に印象深かった。 ハリウッド映画やドラマから連想される明るく豊かで少し単純なアメリカではなく、 さまざまな人種・宗教の人間を抱え込んだ現実のアメリカの複雑な姿を知りたいと思う人に、 ぜひ読んでもらいたい本のひとつだ。
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