2005年春から2006年末まで
多和田葉子が訪ねた街とその旅についてのエッセイ。
ベルリン在住なのでヨーロッパが中心だが
アメリカ、カナダ、イスラム圏と渡る。
ヨーロッパの中でも旧東側がおもしろい。
例えば、ヨーロッパにおける東と西の境界線は
さまざまに移動している。
ドイツではプラハやブタベストは中央ヨーロッパ、
モスクワは東ヨーロッパ。
しかしフランスではモスクワはヨーロッパではなく、
プラハやブタベストは東ヨーロッパという認識だという。
ドイツに住む多和田葉子は
モスクワは東ヨーロッパなのだそうだが
私の感覚では、モスクワはヨーロッパじゃない。
かといってアジアでもないけれど。
人の地理感覚ってほんと違う。
静かな筆致にもかかわらず
多和田葉子自身は好奇心旺盛で
人とのつきあいもいい人なのだと想像する。
街を歩き、本屋に入る記述が多いのも楽しい。