それぞれの作品の素晴らしさは他の方々のコメントで十分理解できると思いますので、私ごときは言及しません。
古い日本映画の傑作の多くが、散逸していて見ることができず、見ることのできる多くがまともなプリントではなくなっていることは、それなりに有名だと思います。
DVDソフト化される日本映画の作品を見て無念な気持ちになることは多々あります。
溝口健二監督の作品は、このようなBOXセットで発売される前に、いくつかの作品がパブリックドメインものとして発売されています。
1作品あたり1000円程度です。
私はBOXセットを買う前に、そちらで買えるものを揃えて視聴していました。
もちろん映像の程度はそれほど良くありませんでしたが、それでも出した金額を考えれば十分だと思っていました。
そこに角川と東宝から満を持して正規版発売。
その美麗なジャケットワークやボックスの装丁にもひかれ、デジタルリマスター版のプリントの改善を期待しながら、そのいくつかを購入しました。
このBOXセットもそのうちの一つです。
(「
お遊さま [DVD]」「
雨月物語 [DVD]」「
祇園囃子 [DVD]」の3作品は廉価版で揃えられ、「
山椒大夫 [DVD]」は正規版単発あり、「噂の女」はBOXのみ。)
結果として、その期待は裏切られました。
雨降り、ガタツキ、大きな疵、聞き取りにくい音声、程度は非常に悪いです。
これがまさかデジタルリマスター修復版とは思えないシロモノです。
私なら、上記3作品を廉価版で揃え、「山椒大夫」を個別に購入することをおススメします。
昨今、海外の作品では、古い作品でも程度の良い「ニューマスター版」や「デジタルリマスター版」が当たり前の時代、この値段を出せというならもう少しまともなプリントを探すくらいの努力はしていいのではないでしょうか。
海外に状態の良いフィルムが眠っている可能性もあると思うので。
そのくらいの意地をみせてこそ、販売元の品格がリスペクトされるのではないでしょうか。
もちろん、プリントの良し悪しで作品を見るつもりはありませんが、値段と廉価版との兼ね合いで失礼ながらコメントを書きました。
一切、作品の評価とは関係はありませんので、悪しからず了解下さい。