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28 人中、24人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
読み物としての源氏物語の最高峰,
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レビュー対象商品: 源氏物語 1 (新潮文庫 え 2-16) (文庫)
ようやく大活字版で再版しました、円地文子さん訳「源氏物語」です。国文学者玉上氏(この方は角川版源氏物語を訳されている)の力を借りて 5年の年月をかけて全巻現代語訳した労作。 非常に格調の高い訳文で一番読みやすい源氏物語だと個人的に思います。 この訳文の特徴は訳者本人の主観の訳を所々に忍ばせてあること。 もっとも本文を改変するのではなく奥行きを深くしたり 現代人にわかりやすい表現であって却って良心的な改変でしょう。 例をあげるなら若菜の「男女の仲が狭まる(直訳)」→「世の中が狭まる(円地訳)」 玉上さんが源氏物語訳注の解説で「男女の仲は平安女性の世の中に等しい」と おっしゃっていたのを後に読み、「なるほどなあ」と感心した訳文です。 レビューで書きましたとおり玉上版源氏物語とリンクした訳文です。 両者を比較するのも楽しいです。 当然単品で読んでも十分源氏物語の真髄を味わえる名文ですので 源氏物語初心者にもお勧めします。
8 人中、4人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
日本文学の最高峰にようやく登頂,
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レビュー対象商品: 源氏物語 1 (新潮文庫 え 2-16) (文庫)
エジプトへ向かう飛行機の中で読み始めたのが2月8日。帰国の機内で旧版の第1巻(花散里まで)を読了し、あとは新版の文庫で続きを読んだ。本日読了。年齢の問題があった。今読めなければ、一生涯読まずに過ごすだろう。今でさえ体力・気力の衰えが進み、老眼が進んで文字を追うのが辛い。想像力はとうに盛りを過ぎ、読解力も以前ほどでないからである。加えて昨年がいわゆる千年紀であったことも、確かに背中を押した。 原文で読む国語力は到底ないから、誰の現代語訳が最適であるかが問題であったが、周囲の全員が円地訳を勧めたから、これはもう迷う余地などなかった。確かに、伝統的な本物の、美しい日本語である。訳文の難度は、センター試験で7割とれる人なら大丈夫、という表現が一番わかりやすいだろう。現代文学よりはるかに時間も労力もかかるけれども、千年前に編まれたとは信じられないほどの、精緻・壮大な物語である。 付け加えるなら、これはスーパースター・光源氏の一代記であるのみならず、宿命と因果応報の物語である。一例を挙げるなら、源氏が義母・藤壷の宮と密通して冷泉帝が生まれ、(その応報として)源氏はのちの正妻・女三の宮に柏木と密通されて薫が生まれる。薫は愛妾であった浮舟に匂の宮が横恋慕したために、浮舟が宇治川に身を投げる不幸を味わうのである。あるいはまた、朱雀帝の母である弘徽殿の女御(のちの大后)は源氏を失脚させるが、その際に朱雀帝は何もしない(できない)。朱雀帝はまた、娘である女三の宮かわいさに源氏にこれを押しつけ、ために周囲すべてが不幸になる。また薫を、八の宮の娘三人(大君、中の君、浮舟)を通して不幸にするのは、朱雀帝の孫である匂の宮なのである。朱雀帝は恰も源氏一族にとり、無自覚な仇敵といわんばかり。ともあれ源氏物語は、私にとって人生観を変えるほどの作品であった。とてもすべては書き尽くせない。
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