今までアーサー・ウェイリーの「源氏物語」英訳全文版は古本でしか手に入りませんでした。
それも1950年代、60年代のmodern libraryがほとんどで、程度の悪いものが多く、当時の印刷技術のためか活字も見にくく、読みにくいものでした。
しかしこの新版は活字も見やすく、ペーパーバックながら適度に厚みのあるしっかりした紙に印刷されているため、読みやすく、アーサー・ウェイリーのわかりやすい英語が源氏物語の理解を深めさせてくれそうな気がしています。
everyman's libraryのサイデンステッカー訳
The Tale of Genji (Everyman's Library classics)やペンギンブックスのタイラー訳
The Tale of Genji (Penguin Classics) [Rough Cut Version]にも挑戦してみましたが、何かニュアンスが異なり、幾種類もある従来の現代日本語訳のようなような硬さがあり、初めのページで降参しました。
また、最近はアーサー・ウェイリーの英訳から日本語に翻訳した
ウェイリー版 源氏物語〈1〉 (平凡社ライブラリー)も出ているようで、人気があると聞きますが、私は読んでいません。
そのぐらいなら英文で直接アーサー・ウェイリーに挑戦したかったので。
ところで、日本語の現代語訳では、林望訳
謹訳 源氏物語 一が一番すぐれていると思います。
全10巻のうち最近3巻目が出ましたが、面白くて買ってから読み終わるまで3日ぐらいだったと思います。
こんな源氏には今まで出会ったことがありません。
何しろいろいろな現代語訳すべてに挑戦はするものの挫折を繰り返してきましたので。
アーサー・ウェイリーの英訳も林望の路線(?林望がウェイリーの路線)ではないかと感じられ、きっと面白いだろうなと期待しています。
少なくとも桐壺は面白かった。
ちなみに、イタリア語訳も持っていますがアーサー・ウェイリー英訳からの翻訳です。
フランス語版やドイツ語版もアーサー・ウェイリーの英訳からの翻訳だと聞いています。
(平川祐弘著
アーサー・ウェイリー'『源氏物語』の翻訳者参照)
つまり欧米の源氏理解はアーサー・ウェイリーの源氏物語によるもの、と考えてよいのだと思います。