週刊文春1986年 国内7位
時は平安朝。光源氏と情を交わした夕顔、藤壺、葵が、次々と不可解な死をとげる。夕顔、葵に毒殺の疑いをもった頭中将は、紫式部を従え、探索に乗り出す ・・・
源氏物語に舞台をかりたミステリ。パスティーシュともいえなくもないか。宮廷の雅な雰囲気と悲惨な出来事があいまって、中盤までは、なかなかに魅力的。ストーリは、原本にそいつつ、事件性をからめて展開するので、原作を知っているなら楽しいと思う。チョイ役だが、陰陽師 安部晴明が出てきたりする。
が、後半、犯人が二転三転するあたりから、怪しくなってくる。意外な犯人なのはわかるんだが、ミスリードの仕方が、アンフェアっぽいので、不満が残ってしまう。お話としては面白けど、謎解きものとして読んじゃいけないのかも。