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満州事変から日中戦争へ―シリーズ日本近現代史〈5〉 (岩波新書)
 
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満州事変から日中戦争へ―シリーズ日本近現代史〈5〉 (岩波新書) (新書)

by 加藤 陽子 (著)
4.4 out of 5 stars  See all reviews (9 customer reviews)
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Product Description

内容(「BOOK」データベースより)

「満蒙の沃野を頂戴しようではないか」―煽動の背景に何があったのか。満蒙とは元来いかなる地域を指していたのか。一九三一年の鉄道爆破作戦は、やがて政党内閣制の崩壊、国際連盟脱退、二・二六事件などへと連なってゆく。危機の三〇年代の始まりから長期持久戦への移行まで。日中双方の「戦争の論理」を精緻にたどる。


著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)

加藤 陽子
1960年埼玉県に生まれる。1989年東京大学大学院博士課程単位取得退学。専攻は日本近代史。東京大学大学院人文社会系研究科准教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

Product Details

  • 新書: 256 pages
  • Publisher: 岩波書店 (2007/06)
  • ISBN-10: 4004310466
  • ISBN-13: 978-4004310464
  • Release Date: 2007/06
  • Product Dimensions: 6.8 x 4.2 x 0.6 inches
  • Average Customer Review: 4.4 out of 5 stars  See all reviews (9 customer reviews)
  • Amazon.co.jp Sales Rank: #20,559 in 本 (See Bestsellers in 本)

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19 of 21 people found the following review helpful:
5.0 out of 5 stars 2冊目以降に読む本としては秀逸, 2008/4/12
By FreshAir - See all my reviews
(TOP 500 REVIEWER)   
満州事変と日中戦争に関する詳しい著作は本書がはじめてという方にとっては、ちょっと敷居が高く感じられるのではないか。元々、満州事変と日中戦争は込み入っていてわかりにくい。特に本書の最初の第一章のような出だしは、元々史実がある程度整理されて頭に入っている人でないと、面食らうだろう。

しかし、2冊目以降に読む本としては非常に優れた著作だ。特にアメリカやイギリスの対応の変化とその背景に関してはなかなか詳しく書かれている。これを読むと、アメリカもイギリスも、満州事変時点では必ずしも強行一辺倒ではなく、特にイギリスに関しては満州国を認知することも選択肢になっていた時期すらあったことがわかる。リットン調査団の顔ぶれや略歴や性格についての説明もなかなか興味深い。

さらに、敵対していたにも関わらず円と元の経済圏がポンドを通じて共に輸出に有利な関係にあった時代もあったこと、高橋是清の経済政策がもたらしたもの、松岡は実は国際連盟脱退に反対だったこと、石原の考えていたことや思想とその影響、日中戦争の戦費の6割が実は対ソ戦向けの拡充計画などに使われていたという事実など、かなり入念に調べて熟知した上で記述されたことが随所に伺える。さらには、二・二・六事件の分析、ゾルゲの日本分析、日中戦争が宣戦布告なき戦争になった理由などの説明は、簡潔ながら的確で鋭い。

ひとことで言うなら、本当によく調べて、熟知した上で書いている。既に日中戦争や満州事変に関してある程度詳しい知識を有している方でも参考になると思う。秀逸な歴史書である。
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38 of 46 people found the following review helpful:
5.0 out of 5 stars 満州獲得目的から日中戦争突入までの詳細な道程, 2007/7/15
満州事変と日中戦争を通して、中国を舞台とした各列強国の権益の争奪戦、つまりどのような背景や国益をみこし、各国が条約や協定を結び予測し行動したのか、そしてそこに、中国共産党や国民党はどういう対応に迫られ行動したのか、といった複雑極まりないことが、条約や規約まで詳細に踏み込みつつ、著者の提言もそこそこに、綿密に検証されています。
日本においては、満州獲得、国際連盟脱退、日中戦争をめぐって、天皇、外務省、内閣、軍それぞれの意見が一致せぬまま暴走したり妥協した様子、そして、いかに法や規約を都合よく解釈して行動したのか(これは他の列強国にも当てはまるかもしれないが)、また、日中二国間協定で早期に収拾するつもりが、運悪く挫折に終わるといった外交の流れが当時の発言や日記を元に提示されており、読み応えがありました。
中国側から日本に向けた視点も豊富であり、列強を横目ににらみながらの、国民党と共産党のせめぎあいなどは、ヒシヒシと緊迫感を得ることができました。

後半は、日中戦争の持久戦化による軍事費の増大、資源や物資の不足により、いよいよ戦時体制に突入していった様子が描かれており、次回作の期待につながる部分が残されています。「国防のため」はたまた「東亜新秩序のため」といった名目で大陸へ突き進んだ日本。本書は、「新書だし手軽に手にとって通読したい」という方には、すこししんどいと思いますが、そういった名目の再検証や太平洋戦争へとつながる歴史として再考することに最適だと思うし、資料が豊富でありながら簡潔にまとまっている良書だと思います。

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24 of 30 people found the following review helpful:
5.0 out of 5 stars せめぎ合いの歴史, 2007/9/9
By 竹内正浩 - See all my reviews
(TOP 500 REVIEWER)   
1930年代の極東をめぐる国際関係は、周辺国や欧米列国の思惑が複雑に絡まりあい、関係各国さまざまなボタンの掛け違い、読み違いが積もり積もっていました。
本書は、当時の各国の政策や軍事情勢、国際法理を丁寧に説明しながら、満洲事変から支那事変に至る日本と極東情勢をわかりやすく解説しています。
著者のよい点は、変に歴史を単純化・図式化するのではなく、当時の一次史料を丹念に読み込むことで、もつれた糸をひとつひとつ解きほぐしていくような誠実な仕事ぶりと冷徹な視線がうかがえること。
いいかえれば、現代の視点からだけ眺めた、最初に結論ありきの「後づけ」史観ではなく、極力先入観を排し、同時代の史料によって戦前の国際関係を活写しているところです。
著者の論が、類書にみられない迫力を秘めているのは、たぶんそのせいだと思います。
もうひとつ。この著者の良心だと思うのは、たとえ新書であっても、エネルギーの注ぎ方にまったく手抜きがないこと。これには驚嘆します。
だからでしょう。著者はハードカバーから新書までさまざまな著書を発刊していますが、どれも古典といっていいほどスタンダードな良書となりえています。
加藤陽子氏は、現代の日本において、もっとも信頼できる歴史家のひとりだと断言できます。
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