著者ご本人とお会いしたことがありますが、RC造一棟物件派が多い不動産投資界で
「一棟アパート派」として知られております。
その著者が同じ大家さん仲間の繋がりを駆使して、成功大家さん12人の経験を凝縮してまとめた本がこれです。
不動産投資でRC造物件が隆盛なのは「融資が引きやすい」という金融機関の事情にリンクしています。
ですが、RC造物件は大規模修繕の費用や固定資産税で莫大な金額が掛かるという負の面もあるのです。
ところが、あまりにもレバレッジを掛けて多額の融資を受けて物件を購入することばかりが強調されて、そいういったRC造物件の負の面は見過ごされている。
それと馬鹿にならないのが「エレベーター」。入居者には便利でもオーナーには「金食い虫」(笑)。
交換すると1,000万円以上掛かるケースもあったそうですよ。只の移動する箱と舐めてはなりません。
物件を購入するエリアについても著者は地方でも決して不利ではないと説いています。
要は「需要と供給のバランス」が大事だということです。
但し、「全く土地勘のないエリアに購入する」ことは止めたほうがいいようです。
あくまで地方でも自分の土地勘のあるところ限定ならOKということです。
物件情報は所謂「川上情報(未公開情報)」の入手の重要性を指摘。
但し、著者は面倒なことが多すぎるという理由で「任意売却物件」には否定的です。
不動産の価格には正当性なんてあってないようなものです。
だから、可能な限り「指値」して交渉することで安く仕入れることが可能になります。
「安く買う」ことは万国共通のリスクヘッジと言い換えていいでしょう。
値引きの理由を自分で見付けるのです。
・検査済証がない。
・銀行の融資金額がそこまでしか出ない。
・水道設備導入にお金が掛かる。
・リフォーム費用が掛かる。
・大規模修繕が未実施。
・物件価格に端数があるから切り捨てて・・・(笑)。
基本は「売主と交渉する」ことです。最初から上手くはいかないかもしれません。
ですが、経験することで未経験者に比して「上達していく」はずです。
そして、購入のキモともいえる「融資」については
当然に「現金をたくさん持っていたほうが強い(笑)」と身も蓋もないようなことを言いつつ、
・高金利でも借りれるなら借りて、後から交渉か借り換えで金利を下げなさい。
・最初の1棟は融資期間を長く取るようにして、キャッシュを貯める。
・1つの金融機関で多額の融資を組まない。
・手元に現金を残しつつ、ローンを組む。
・「優遇金利」があるのか必ず確認する。
・「事業計画書」を作成して、収益の健全性・安全性を担当者にPRする。
このあたりをポイントに上げております。
最後はリフォームについてですが、常に「費用対効果」を意識して、自己満足なリフォームは入れない。
実際のリフォームをする業者・職人さんと仲良くなって、ここでも「交渉」して価格を下げてもらいましょう。その代わり、定期的に仕事を回してあげたりして「持ちつ、持たれつ」の関係を構築するわけです。
そのためには「リフォーム工事」に関する知識をオーナーが持つことも必要。
成功したいならどうすればいいのか?との疑問に対する一般的な回答としては
「成功している人間のマネをしろ」は基本かと思います。
そういった意味で、この本に登場するオーナーはいずれも苦心しながらもアパマン運営を成功された言わば「先駆者」であるわけで、重みがあるわけです。
但し、喩えて言うならば不動産投資とは「マラソン」のようなもの。
ローンの完済がひとつのゴールという見方も出来ますが、実際は物件を処分して「利益を確定して」初めてその投資が成功だったか失敗であったかが判明するわけですね。
だから「油断大敵」。上手くいっているうちに「もう次の一手考えておきましょう」。
それは人生の縮図ともいうべき真理ではないかと思います。