週刊文春1980年 総合5位
出羽三山 即身仏信仰で名高い大師村出身の素封家、淡路家にミイラ化した人の指が送られた。程なくして、当主 剛造が、密室の中で、殺害されているのが発見される。犯人と目されたお遍路姿の人物は、現場から消失していた ・・・
タイトルがとにかく印象的。伝奇ミステリの位置づけらしいが、当初想像していたより、本格ミステリである。即身仏信仰を背景にし、超常現象を想起させる、人間消失や、密室殺人を扱っているが、純粋に謎解きを楽しむことができる。探偵が警察の捜査に介入していく等、現実感はないが、虚構としてわりきれる方にはお薦めである・
名探偵役 滝廉太郎は、クイズ王にして2メートル大男で、大食漢という設定。滝のひょうひょうとした振る舞いが、本作が不気味さ一辺倒になるのを防いでいる。金田一シリーズを想起させるが、当時の横溝ブームの便乗のように受け取られはしなかのだろうか。
真犯人が判明してからの、ラストは重苦しいため、好き嫌いは分かれると思う。